人と未来をつなぐ、TDKが6つの「IoX」を提案:ユニモルフユニット、1/10の薄型化を可能に
TDKは、「CEATEC JAPAN 2016」で、「人と未来をつなぐ、Io“X”テクノロジー」をテーマに大きく6つの「IoX」と、薄型ユニモルフユニットなどIoXを支える最新のデバイス技術などを紹介した。
センサー技術や通信技術を基盤に展開
TDKは、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)で、「人と未来をつなぐ、Io“X”テクノロジー」をテーマに、大きく6つの「IoX」と、これらを支えるセンサー技術や通信技術を紹介した。
6つの「IoX」とは、農業がインターネットとつながる社会「IoA(Internet of Agriculture)」、人の健康管理がインターネットとつながる社会「IoM(Internet of Medical)」、ロボットがインターネットとつながる社会「IoR(Internet of Robot)」、車がインターネットとつながる社会「IoV(Internet of Vehicle)」、スポーツがインターネットとつながる社会「IoS(Internet of Sports)」、人の暮らしがインターネットとつながる社会「IoH(Internet of Human)」である。
これらの「IoX」を支える要素技術として、薄型ユニモルフユニットやTMR角度センサー、ワイヤレス給電システム、生体センサー「Silmee」および各種温度/湿度センサー、圧力センサー、通信モジュールなどを紹介した。
中でも注目を集めていた要素技術の1つが薄型ユニモルフユニットである。圧電素子を用いた振動板を、プリント配線板や筐体に接着して使う。このユニットをスマートフォンやタブレット端末、カーナビゲーションシステムなどの操作パネル部に実装しておくと、指で触れた部分が振動する。これによって、作業者は操作していることを指先で認識することができるという。
従来は同様の機能を実現するため、バイブレーション用モーターが用いられていた。これに比べて、圧電素子による振動板を用いると、機器の薄型を実現しつつ消費電力も低減することができるという。「バイブレーション用モーターを採用した場合、厚みとして3.5mmは必要となる。今回開発した圧電素子による振動板は、厚みがわずか0.35mmとなり、10分の1の薄さにできる」(説明員)と話す。もう1つのメリットは変位量である。「電圧3Vであればモーターの変位量は3μm程度である。これに対して、圧電素子を用いた振動板では7〜8μmと大きな変位量が得られる」という。
会場には、圧電素子の大きさが50×50mmの試作品を展示、6種類の振動パターンをデモで実演した。「2016年中にはサンプル品の出荷を始め、2017年より量産を開始したい」と話す。
なお、IoX技術の展示コーナーでは、用途別に事例を紹介した。例えばIoAでは、養蜂家が養蜂場に設置された巣箱を遠隔管理できるシステムなどを紹介。IoMでは薬の飲み忘れを防ぐ服薬管理システムを、IoVではTMR角度センサーなどを用いた自動運転システムを、IoSではTMR角度センサーによるバランス計測やスマートシューズに対するワイヤレス給電システムなどの事例を、それぞれ紹介した。
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