微風まで見える化できる風量センサー:風速や風向きが分かる
ミツミ電機は、「CEATEC JAPAN 2016」で、空気の流れを“見える化”するための「MEMS小型風量センサー」など、IoT(モノのインターネット)を実現するための新技術/新製品を紹介した。
ミツミ電機、これまで見えなかった空気の流れを可視化
ミツミ電機は、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)において、空気の流れを“見える化”するための「MEMS小型風量センサー」など、IoT(モノのインターネット)を実現するためのさまざまな新技術/新製品を紹介した。
MEMS小型風量センサーは、MEMSチップ上の中央部にヒーターを、上下左右の4カ所に温度センサーを設けた。ヒーターで暖められた空気は、無風状態だとチップ上は熱が均一となる。風が吹くと風上に位置する温度センサーと、風下に位置する温度センサーに温度差が生じる。その変化量を検出し演算処理することで、風速や風向きを測定することができるという。
試作したMEMS小型風量センサーは、センサー部の他、駆動回路やアナログフロントエンド部などをワンパッケージにした。外形寸法は直径20mmで高さは7.0mmと小型である。測定できる風速の動作範囲は最大30メートル/秒で、測定精度は±5%となっている。0.1メートル/秒の微風まで測定することが可能だという。出力用インタフェースとして、I2C/SPIを用意した。サンプル品の供給はすでに始めている。
「これまで見えなかった空気の流れを可視化することができる」(説明員)ことから、エアコンなどの空調制御や簡易な気象計測、ドローンなどで安全な飛行制御を行うための風量/風速監視などの用途に提案していく。
充電時間を30%も短縮
また、急速充電ソリューションとして、電圧モニターICの利用も提案した。USB 3.1/Type‐Cコネクターの登場により、モバイル機器などでもより大きな電力を受給電することが可能となる。電圧モニターICを電池保護モジュールの基板上に実装し、リチウムイオン電池の近くに設けることで、電池電圧を安全にモニターしつつ、最大電流で充電することができるという。これによって充電時間を短縮することが可能になる。
同社の試算だと、リチウムイオン電池が満充電に対して40%の充電状態において、20分間の追加充電を行った場合、「従来システムだと60%までしか回復しないが、今回の電圧モニターICを用いたシステムでは、同じ充電時間で80%まで回復する」(説明員)と話す。これは、充電時間を約30%短縮できたことに相当するという。外出直前の急速充電や、外出先でのちょこちょこ充電に有効となる。
これ以外にも、湿度97%の環境でも高精度に測定することができる温湿度センサーや、水深10mまで対応可能な防水型気圧センサーなど、利用環境を広げるさまざまなセンサー製品や評価用モジュールなどを展示した。
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