ニュース
TDK、2つの最新鋭生産拠点が完成:IoTに向けた最新鋭マザー拠点として稼働へ
TDKは2016年10月6日、秋田地区で建設を進めてきた電子部品の製造棟と磁性材料の製造棟の2拠点がこのほど完成したと発表した。
2016年に稼働へ
TDKは2016年10月6日、秋田県内で2つの新しい生産拠点が完成したと発表した。2拠点ともに2016年内に稼働を開始する。
完成した2つの生産拠点は、本荘工場東サイト(秋田県由利本荘市)と稲倉工場東サイト(秋田県にかほ市)。いずれもTDKがグローバルでの電子部品製造における“マザー拠点”と位置付ける秋田地区に立地。2015年7月から約250億円を投じて建設を進めていた。
本荘工場東サイトは、延床面積5万m2の2階建て建物で、高周波部品やピエゾ部品をはじめとした電子部品の開発、設計、製造を行う。稲倉工場東サイトは、延床面積1万5000m2の一部2階建て建物で、フェライト材料やフェライトコアなど電子部品用磁性材料の開発、設計、製造を行う拠点となる。
インダストリー4.0、ゼロディフェクト
新生産拠点についてTDKは、「IoT(モノのインターネット)向けビジネスの拡大を見据えた最新鋭の秋田地区のモノづくりのマザー拠点」と位置付け、インダストリー4.0の考え方と、ゼロディフェクトを実現する品質向上のモノづくりという2つのコンセプトを導入。「TDK独自の生産技術を結集した最新鋭の設備、システムを導入し、従来型のモノづくりにはない、新たな生産ラインを構築する」としている。
2拠点は、秋田県の冬場の天候を活用し、積雪時の雪を格納して冷熱回収の補助にするシステムを導入するなど、エネルギー効率の向上を目指した設計を行ったとする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TDKの80年と未来が分かる歴史館、秋田にオープン
TDKは、創業の地である秋田県にかほ市に「TDK歴史みらい館」を2016年10月7日にオープンすると発表した。同社の「磁性」を中心とした製品や技術の歴史と未来への取り組みを紹介するだけでなく、これからの社会を創る若い人々への学習支援を積極的に行う活動拠点としていくという。 - TDK、仏センサーメーカーを買収 IoT強化へ
TDKは2016年8月1日、完全子会社であるEPCOSがフランスのセンサーメーカー「Tronics Microsystems」を買収すると発表した。買収総額は4865万ユーロ(約55億円)になる見込みだ。 - 「半導体メーカーとの連携不可欠」――TDK
TDKは、Qualcommとの合弁会社「RF360 Holdings Singapore(以下、RF360 Holdings)」を設立した背景について説明会を開催。同社社長の上釜健宏氏は、「半導体メーカーとの連携が不可欠」と語った。ただ、やはり合弁会社設立に対する疑問の声や懸念事項もあるようだ。 - ルネサス、鶴岡工場をTDKに譲渡へ
TDKとルネサス エレクトロニクスは2015年11月30日、ルネサス鶴岡工場(山形県鶴岡市)をTDKに譲渡する内容で基本合意に至ったと発表した。