CMOSカメラ、高速移動物体の移動量などを検知:2000フレーム/秒で高速読み出し
コーデンシは、「CEATEC JAPAN 2016」で、高速CMOSカメラ「MC-1」のデモ展示を行った。フレームレートは2000フレーム/秒と高速で、物体の移動量検知などの用途に対して、安価な画像認識のソリューションを提案する。
測定用途を特化、コストの節減を可能に
コーデンシは、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)において、高速CMOSカメラ「MC-1」のデモ展示を行った。フレームレートは2000フレーム/秒と高速で、物体の移動量検知などの用途に対して、安価な画像認識のソリューションを提案する。
同社は、発光素子や受光素子、照明/バックライト用LED、フォトIC、フォトインタラプターなどを手掛けている。こうした中で、高速読み出しに特化したCMOSカメラ製品の事業を新たに展開することにした。2017年春にも販売を始める予定である。
MC-1は、全画素を同時に露光するグローバルシャッター機能を搭載したCMOSイメージセンサーを内蔵している。有効画素数は128×128画素で、2000フレーム/秒のフレームレートを実現した。ダイナミックレンジも120dBと広い。レンズはCSマウントレンズを利用することができる。映像出力用インタフェースとしてUSB 3.0を用意している。
「CMOSカメラは、用途に合わせてさまざまな仕様の製品が提供されている。MC-1は、高速移動物体の速度や移動量検知、人体検知などの用途にフォーカスして開発した。同等の機能を備えた競合製品だと価格は100万円以上となる。MC-1は、画素数が小さくモノクロ信号とするなど、測定用途に合わせた仕様に絞り込むことで、数十万円に抑えることができた」(説明員)と話す。
展示ブースでは、MEMSファウンドリーサービスについても紹介した。これまで光半導体製造プロセスで培ってきたシリコンの立体加工技術などをベースに、カスタム品の試作から量産まで一貫した受託事業を展開している。自社の多波長吸収型サーモパイルセンサーもMEMS技術を用いた製品である。同一チップ内に吸収波長の異なる画素をアレイ状に配置しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- CEATECの「IoTタウン」、初出展ばかりで面白い
CPS/IoTの展示会として開催されている「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日/千葉市幕張メッセ)。生まれ変わったCEATECで、主催者が特別企画として展示しているのが「IoTタウン」である。本記事では、初出展となる企業を中心に、IoTタウンの様子を画像で紹介する。 - 8K TVソリューション、チップセットで提案
ソシオネクストは、「CEATEC JAPAN 2016」において、最新のLSIチップセットを用いた高精細8Kの映像向けソリューションなどを紹介した。 - 光を自在に操るMEMSレーザー照明が登場
スタンレー電気は、モーターなどを使わず、自在に照射領域を変更できる新しい照明「MEMSレーザー照明」を2016年10月4日から開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2016」(シーテック ジャパン)で公開した。 - 消費電力0.01mWの水素センサー、ReRAMがヒントに
パナソニックは「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)で、現在開発中の水素検知センサーを展示した。水素検知センサーは、パナソニックが開発した新しい検出原理を採用したもので、既存品と感度は同等だが、消費電力が1万分の1以下となっている。 - 完全印刷TFT用いた感圧シート、物流などに適用へ
次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)は、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日/幕張メッセ)で、TFTアレイシートと感圧ゴムシートを組み合わせたフレキシブル感圧シートを展示した。同シートを用いた物品管理システムのデモの様子を紹介する。 - すべてがつながるIoTの世界、VRで飛行を体験
タイコ エレクトロニクス ジャパン(TEジャパン)は、「CEATEC JAPAN 2016」)において、全てをつなげる同社のコネクティビティ&センサーソリューションを紹介。その一例として「TE VRハンググライダー」を特設ステージでデモ展示した。