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データは語る、鉄道飛び込みの不気味な実態世界を「数字」で回してみよう(35) 人身事故(8/11 ページ)

「鉄道を使った飛び込み自殺」が減らないのなら、いかにしてそれを避けるか、というのが重要になります。そこで「ビッグデータ手動解析」と「人間知能“EBATA”」を駆使して、人身事故から逃れる方法を検証してみました。ところがその先には、がく然とする結果が待っていたのです。

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曜日別の傾向はあるか

 次に調べたのは、各曜日の自殺者数の推移です。

 まず、自殺者全体としては月曜日に最も多く、その後、順序よく減少していく様子が読み取れました。これは、直感的にも理にかなっており、冒頭の『希望で始まり、絶望で終わる夏休み』と同様に、『希望で始まり、絶望で終わる週末』によるものと考えられます。

 比して、飛び込み自殺者の方は、このように単純な傾向を示していません。火曜日と週末を除けば、ほぼ一定数の数で推移しています。自殺者の中でも、特に、飛び込み自殺者の行動パターンが、『希望で始まり、絶望で終わる夏休み』とは、別のロジックで働いていることだけは間違いなさそうです。

 国土交通省の資料では、自殺の原因には言及していないのではっきりとは言えませんが、飛び込み自殺の自殺者には、前述の、重篤の「うつ病」患者が多いという可能性が考えられます。ただ、そうだとすれば、火曜日だけが少ないという理由を説明できなくなる、という別の問題も出てきます。

 さて、「自殺」と「鉄道への飛び込み自殺」の比較で、最も顕著な特徴(差異)が現われたのが、この時間帯自殺者数の比較です。

 まず、当たり前のことなのですが、電車が走っていない時間の自殺者は少ないです(といいつつ、少ないながらも、一定数のカウントされているのか訳分からないです(後で、生データの方を調べておきます))。

 それと、飛び込み自殺のピークが午後8時というのも、結構意外でした。だって、1日で最も憂鬱な時間といえば、「会社に出勤する電車の中」ですよね(正確に言うと、朝起きた瞬間かもしれませんが)。帰宅時は、むしろ「ホッ」とできる時間というような気がします。

 さらに加えて言えば、朝の飛び込み自殺のピークが、なんと早朝5時なのです。これ、相当に早い時間です。ほとんど電車の始発です。

 駅で寝過した人が、朝ベンチの上で起きて、「ああ、なんて俺はダメなやつなんだ」と悲観して自殺 ―― というケースもあるかもしれますが、ちょっと苦しい仮説です。また、今や猫も杓子も「早起きブーム」ですが、そういうモチベーションを持っている人が、「『早起き自殺』を試みる」とも考え難いです。

 こちらも、前の2ケースと同様に、合理的な仮説が立てられていません。

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