IBMの25Gbpsインターコネクト技術「OpenCAPI」:サーバの性能を10倍に(2/2 ページ)
IBMが、25Gビット/秒(Gbps)の帯域幅を実現する新インターコネクト技術「OpenCAPI」を発表した。データセンターのサーバの性能を10倍に引き上げることを目指す。
目的はオープンスタンダード
OpenCAPI、CCIX、Gen-Zの3つの新インターコネクト技術は、共通の目的を持っている。その目的とは、オープンスタンダードの作成だ。Intelの「Xeon」プロセッサは、AlteraのFPGAと「3D Xpoint」メモリと組み合わることでサーバ市場を席巻すると予想されるが、同社はXeonプロセッサに独自のインターコネクトを搭載するのではないかという懸念が高まっているためだ。
OpenCAPIは、サーバ内のマザーボードのチップを接続する技術としての活用を狙う。一方、イーサネットをベースとするGen-Zは、システム内部あるいはシステム間での利用を想定している。
OpenCAPIは、2017年後半に発売予定のPOWER9に対応した仕様となっている。IBMは、将来的に同インタフェースをシステムに搭載する予定のパートナーと協力して開発を行ってきた。
POWER9のスケジュールを考えると、IBMは確実に、25Gビット/秒のインターコネクト技術を最初に実用化するメーカーになる見通しだ。だが、PCIeやイーサネットをベースにしたCCIXやGen-Zに対するサポートの方が幅広く形成されるであろうことを考慮すると、このタイミングはいささか早過ぎるともいえるかもしれない。
AMDはプレスリリースの中で、同社のGPU「Radeon」を、アクセラレーターとしてPOWERプロセッサに接続する際、OpenCAPIを使用することを示唆している。NVIDIAもOpenCAPIに対応する予定だが、POWER9との接続には、同社のインターコネクト技術「NVLink 2.0」を用いるとしている。
現行の「POWER8」に使われているIBMのCAPIインタフェースは、PCIe Gen 3上で動作するキャッシュコヒーレントプロトコルだ。OpenCAPIは、ソフトウェアの作り替えの手間を減らすべく、現行のCAPIインタフェースと似たようなAPIとソフトウェア構成になっている。IBMのフェローでPOWER開発部門のバイスプレジデントを務めるBrad McCredie氏は、「極めて低いレイテンシと、高速な帯域幅が必要だった。そのため、新しい物理層とプロトコルを開発した」と説明する。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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