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4DS Memoryが40nmプロセス適用のReRAMを開発狙いはモバイルクラウド

オーストラリアの4DS Memoryが、40nmプロセスを適用したReRAMを開発した。モバイルクラウドの分野をターゲットとする。

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40nmプロセスのReRAM

 オーストラリアのウエストパース(West Perth)に拠点を置く4DS Memoryが、40nmプロセスを適用したReRAMを開発したと発表した。フラッシュメモリや、競合企業であるCrossbarのReRAMよりも、高い記憶密度を実現したという。Crossbarは最近、中国のファウンドリーであるSMICにReRAMのライセンスを供与したと報じられている。

 4DS MemoryのCEO(最高経営責任者)であり、マネージングディレクターを務めるGuido Amout氏は、EE Timesのインタビューに対し、「Crossbarは、40nmプロセスの設計ルールを用いたということ以外、セル寸法などの詳細については一切明らかにしていない。このため、セルの長さ寸法に関しては、40nmの倍数であると推測するしかない。さらに重要なのが、Crossbarが、小型化の実現が困難なフィラメント型ReRAM技術を採用しているという事実だ」と述べている。

 4DS Memoryは、「業界初となる40nm ReRAMを実現した」と主張しているが、これまで同社やCrossbarの他にもさまざまな研究開発企業が、ReRAM/メモリスタの開発に取り組んできた。例えば、Adesto Technologiesや旧エルピーダメモリ、パナソニック、富士通、NEC、Samsung Electronics(サムスン電子)、GLOBALFOUNDRIES、SanDisk、Rambusなどだ。この他にも、IMECがTSMCと協業したように、研究開発機関がファウンドリーパートナーと協業関係を構築する事例もいくつかある。

 フラッシュメモリの微細化が間もなく限界を迎えるといわれている中、3D(3次元)構造への移行が加速している。その一例として、東芝と米Western Digital(ウエスタンデジタル)が64層の3Dフラッシュメモリ「BiCS FLASH」のサンプル出荷を開始すると発表したことなどが挙げられる*)

*)関連記事:東芝、64層の3D NANDをサンプル出荷「世界初」

 一方4DS Memoryは、HGST(旧日立グローバルストレージテクノロジーズ)との協業により、過去2年間をかけて、ReRAM技術の開発を行ってきた。HGSTは現在、Western Digitalの子会社となっている。

 両社は協業し、ペロブスカイトと酸素イオン移動を用いた非フィラメント型技術を適用することにより、フラッシュメモリよりも高性能な「Interface Switching ReRAM」を開発した。モバイルクラウドにおいて、ギガバイトクラスのストレージ性能を経済的に実現することが可能だという。


4DS Memoryが開発したReRAMの構造。電極間に存在する酸素イオンを移動させて抵抗を制御する 出典:4DS Memory

4DS MemoryがReRAMで狙うのは、モバイルクラウドの分野だ(クリックで拡大) 出典:4DS Memory

 また、4DS Memoryは2016年7月に、ReRAMの拡張性やサイクリング耐性のさらなる最適化を目指し、HGSTとの共同開発契約をもう1年延長したという。

 4DS Memoryによると、同社が最近デモを披露したチップの研究開発資金は、1200万米ドル程度にとどまるという。同社は、「このデモチップにより、当社のReRAMメモリセルが、3D NANDフラッシュよりも高速化と低コスト化、低消費電力化を実現しているということを実証できた。このため、400億米ドル規模の世界フラッシュメモリ市場において、新たな市場を切り開くことができる」と述べている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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