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スマート家電やIR46、中国市場の“今”が分かるデモルネサス DevCon China 2016(2/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスが中国で初めて開催したプライベートイベント「DevCon China 2016」では、組み込み機器設計プラットフォーム「Synergy」をはじめ、中国市場のトレンドに沿った77種類のデモが披露された。その一部を紹介する。

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日本以上の高齢化社会

 ヘルスケア向けでは、BLEに対応したマイコン「RL78/G1D」を搭載したモジュールが展示された。心拍やグルコース、血圧などを測定する機器向けの製品である。ルネサスは「中国は、日本以上に高齢化が進んでいる社会だが、日本のように、家庭で血圧を測定するといった手軽な健康診断には関心が寄せられていなかった。現在は、高齢になってきた親のために家庭用血圧計を購入する、という子どもが増えている」と説明する。こうした背景から、IoT(モノのインターネット)機器などをターゲットとしたRL78/G1Dのような低消費電力マイコンには、需要があるとルネサスは見込んでいる。

左=BLE対応マイコン「RL78/G1D」を搭載したモジュール。デモでは、室内の温度を測定してスマートフォンに表示していた/右=モジュールの中身(クリックで拡大)

中国の電力メーター規格「IR46」に対応


「IR46」対応のスマートメーター(クリックで拡大)

 ルネサスは、電力メーターやスマートメーター向けの製品群の拡大に力を入れている。中国は、スマートメーターを早い段階から導入していて、インドや東南アジア諸国とともに今後、スマートメーターの普及拡大が見込まれる国の1つでもある。DevCon Chinaでは、ルネサスの中国の特約店であるShenzhen Superfly Technologyが、スマートメーター(単相)を展示した。単相メーター向けの制御マイコンであるRL78を搭載し、中国の電力メーターの次世代規格「IR46」に対応している点が特長だ。

 ルネサスは、スマートメーター向けマイコンで世界トップシェアを獲得している。中国でも、かつては90%のシェアを持っていた。現在は約30%とシェアは落ちているが、IR46対応を進めたり、Shenzhen Superfly Technologyのような特約店との連携を強化したりすることで、中国でのシェア回復を狙っていく。

工場でのニーズが高いHMIソリューション


マイコン「RZ/A」のデモ展示(クリックで拡大)

 HMI(Human Machine Interface)製品としては、ARMコアを採用したハイエンドの32ビットマイコン「RZファミリ」から、表示系の機能を強化している「RZ/A」を展示した。動作周波数が400MHzの「Cortex-A9」を搭載したもので、最大10MバイトのRAMを内蔵し、外付けSDRAMが不要であることが特長だ。USB、イーサネット、CANといったインタフェースも備えている。

 「現在、中国の工場では、タッチパネルや3D(3次元)表示のディスプレイなど、“きれいに表示すること”へのニーズが高まっていて、HMI関連の製品は人気が高い。工場で働く人々の、装置のディスプレイに対する意識は、以前に比べてずいぶん変わってきている」(ルネサス)

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