電池で2〜3年駆動するIoTセルラーゲートウェイ:厳しい環境下でも使用可能
ディジ インターナショナルは2016年11月1日、同社のビジネス動向や製品ロードマップを紹介するセミナーを都内で開催した。本記事では、セルラー向け製品の動向について紹介する。
バッテリー駆動のセルラーゲートウェイ
ディジ インターナショナルは2016年11月1日、同社のビジネス動向や製品ロードマップを紹介するセミナー「Digi IoT Seminar 2016 Japan」を都内で開催した。
セミナーでは、セルラー向け製品のロードマップについて、プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントを務めるTerry Schneider氏が登壇。2016年6月に発表した新製品である「Digi Connect Sensor」などを中心に紹介した。
Digi Connect Sensorは、バッテリー駆動のセルラーゲートウェイである。2G(第2世代移動通信)のフォールバックを備えた3G HSPA+を利用できる「CSENSE-A700」、LTE-CAT-1を利用できる「CSENSE-A200」「CSENSE-A300」を展開している。
平均寿命2〜3年の非充電式バッテリーを搭載し、スリープモードやバックアップ電源として外部からの電源を取り込むオプションを備えている。複数のI/Oオプションと同時接続機能を提供し、「ほぼいかなるアナログ出力、デジタル出力、パルス状の出力センサーとでも協調する」(同社)という。
また、Bluetooth Low Energy(BLE)を通して、同社の携帯端末向けアプリケーション「Connect Wizard」に接続することが可能だ。これにより、設置業者や技術者に対して、センサーデータのフィードバックを即時に行うことができる。Terry Schneider氏は、「従来の液晶ディスプレイの必要性に取って代わるもの」と語る。
動作温度範囲は−35〜70℃で、NEMA 4などに準拠しているため、厳しい環境下でも使用可能。産業機器や公共施設のモニタリング機能の拡張に適している。同社CTOのJoel Young氏によると、平均寿命が5〜6年のLTE-CAT-M1対応製品も展開予定とする。
製品ロードマップ
Terry Schneider氏は、セルラー製品のロードマップについても説明。2016年はDigi Connect Sensorに加えて、産業用セルラールーター「TransPort WR31」を発表している。デュアルSIMに対応しているため、電波の状況に合わせて通信を切り替えられるのが特長だ。
ターゲット市場としては、「Retail(小売り)」「Transportation(輸送)」「Critical Infrastructure(インフラ)」を挙げる。2017年以降は、LTE-AdvancedとLTE-CAT-1に分けて、製品開発を進めていくようだ。
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