カメラを置くだけ? バッテリー駆動の監視システム:「ET 2016」開催直前取材
2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜で「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」が開催される。EE Times Japan/MONOistでは、同展示会の開催に先駆けて、出展社企業に展示する内容の事前取材を進めている。今回は、東芝情報システムに話を聞いた。
監視カメラを“置くだけ”
2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜で「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」が開催される。EE Times Japan/MONOistでは、同展示会の開催に先駆けて、出展社企業に展示する内容の事前取材を進めている。
今回は、東芝情報システムに話を聞いた。同社が注目の展示の1つとして挙げるのは、「自律型インフラレス監視システム」である。同システムは、監視カメラに画像認識LSI「Visconti」(東芝製)を搭載したボード、画像認識ミドルウェア「CVNucleusシリーズ」、バッテリーなどが搭載されている。これにより、カメラ側で必要な情報を、必要な時にだけ、検出画像や異常検知情報を外部デバイスに通知できるようになっている。
監視カメラはバッテリー駆動のため、無線通信を活用して通知を行う。監視カメラは電源接続が必要な据え置き型のものが多いが、同システムは監視カメラ本体を“置くだけ”で、人物認識や異常事態の検知、特定のエリアのみの監視などが可能になる。
大規模な電源工事やネットワーク工事も不要となり、コスト削減や通信量を減らせることもメリットである。同社のエンベデッドシステム事業部商品企画部で部長を務める重石岳史氏によると、イベント会場や神社仏閣などで利用を想定しているという。
カメラ画像サイズは、接続フォーマットやフレームにより変動するが、1280×1024ピクセルの画像であれば1秒間に30フレーム撮ることができる。検出範囲は3.5〜25m、検出時間は300ミリ秒、検出可能人数は32人(変更可能)、検出精度は検証中とする。レンズは、望遠や魚眼、赤外線用など、さまざまなものを搭載することも可能だ。
製品化については、「2017年度中を目指して、顧客の声を聞いている最中である。ET 2016/IoT Technology 2016も、そのような場としたい」(重石氏)と語る。
セキュリティツールの展示も
また、2016年10月から提供を開始したインサイドセキュアのセキュリティツール「MatrixSSE」も展示する。東芝情報システムのエンベデッドシステム事業部商品企画部の第1担当グループ長を務める鈴木淳史氏によると、MatrixSSEはアプリケーションのソフトウェアを暗号化し、機密データの保護や改ざん検知機能を備えているため、セキュリティレベルを高めることが可能だ。万が一ハッキングされたとしても、難読化の技術により、リバースエンジニアリングを受けることを阻止するという。
既にスマートフォンなどのモバイル端末や国内のセットトップボックスに搭載されている事例もあるといい、今後は同社の通信系セキュリティツールと組み合わせたソリューションとして提供予定。多機能化するプリンタやゲーム機、カーナビ市場へも展開し、「MatrixSSEとして2017年度に1億円の売り上げを目指す」(鈴木氏)と語った。
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