車載向け電源IC、トレックスがシリーズ展開:第1弾で3製品投入
トレックス・セミコンダクターは、車載向け専用電源IC「XDシリーズ」を開発した。第1弾としてAEC-Q100対応のDC-DCコンバーター2製品と電圧検出器の合計3製品について量産を始めた。
関西技術開発センターで開発を加速
トレックス・セミコンダクターは2016年11月、車載向け専用電源IC「XDシリーズ」を開発したと発表した。第1弾として車載用ICの品質規格「AEC-Q100」に対応したDC-DCコンバーター2製品と電圧検出器の合計3製品について量産を始めた。
「HiSAT-COT」制御方式を採用
「XD9260/XD9261」シリーズは、出力電流が1.5Aの降圧同期整流型DC-DCコンバーター。独自の高速過渡応答技術である「HiSAT-COT」制御方式を採用している。一般的なCOT制御方式に比べて、負荷や入力電圧に対するスイッチング周波数の変動が少ないという。スイッチング周波数は1.2MHzと3.0MHzを選択することができる。消費電流は15μAと小さい。
動作モードはXD9260がPWM制御、XD9261はPWM/PFM自動切り替え制御方式となっている。動作温度範囲は−40〜105℃でGrade 2に対応した。パッケージは「SOT-89-5」と、外形寸法が1.8×2.0×0.6mmの「USP-6C」で供給する。サンプル価格(税別)は100円。
出力電流2AのDC-DCコンバーター
「XD9242/XD9243」シリーズは、出力電流が2Aの降圧同期整流型DC-DCコンバーター。オン抵抗の小さいトランジスターを内蔵することで、出力電流2Aまで安定した電圧供給を可能とした。スイッチング周波数1.2MHzで入力電圧5.0V、出力電圧3.3V時の効率は95%である。動作電圧範囲は2.7〜6.0V、出力電圧は0.9Vから任意に設定することができる。
動作温度範囲はGrade 3(−40〜85℃)に対応した。スイッチング周波数は用途に応じて1.2MHzと2.4MHzを選択することができる。動作モードはXD9242がPWM制御、XD9243はPWM/PFM自動切り替え制御方式となっている。パッケージは外形寸法が2.6×2.9×0.6mmの「USP-10B」で供給する。サンプル価格(税別)は100円。
ウォッチドッグタイマー内蔵の電圧検出器
「XD6130/XD6131」シリーズは、ウォッチドッグタイマーを内蔵した電圧検出器。6V動作が可能である。コンデンサーを1個外付けすると、監視システムに有用なタイムアウト時間や解除遅延時間を任意に設定することができる。動作温度範囲はGrade 1(−40〜125℃)に対応した。
検出電圧範囲は1.6〜5.0V、検出電圧温度特性は±50ppm/℃、検出時の消費電流は8.1μAである。なお、XD6130シリーズは、マニュアルリセット機能を搭載している。これにより、マニュアルリセット端子を任意のタイミングで「Low」レベルにすると、RESETB端子からLレベル信号を出力することができる。XD6131シリーズには、ウォッチドッグタイマーをオン/オフできる機能がある。このため、ウォッチドッグタイマー機能のみをオフにして、電圧検出を行うこともできる。パッケージは外形寸法が2.8×2.9×1.3mmの「SOT-26」で供給する。サンプル価格(税別)は100円。
同社は、2016年5月に関西技術開発センターを開設し、車載機器向けの製品開発を行っている。特に、インフォテインメント、テレマティクス、車載カメラ、ボディ制御系システムなどの用途に向けた電源ICの開発に注力している。
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