小型CPUボードで、複数のカメラ映像を合成:ET2016 速報レポート
富士通エレクトロニクスは、「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」で、ARMプロセッサ搭載ボード「F-Cue(エフキュウ)」を用いた、多眼パノラミックビューのデモ展示を行った。
スマホの動きに連動、景色が360°スライド
富士通エレクトロニクスは、「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜)で、ARMプロセッサ搭載ボード「F-Cue(エフキュウ)」を用いて、複数カメラで撮影した映像を合成して表示する、多眼パノラミックビューのデモ展示を行った。
F-Cueは、Linaroが策定したARMアーキテクチャ向けオープンプラットフォーム「96boards」仕様に準拠した小型CPUボードである。外形寸法は54×85mmの名刺サイズとなっている。このボードには、「Aortex-A15」と「Cortex-A7」をそれぞれ2コアずつ内蔵したソシオネクスト製ARMプロセッサ「MB86S71」などが実装されている。
展示ブースでは、4個のUSBカメラを取り付けたドローンを天井に設置。カメラで撮影した映像をF-Cueで画像処理する。F-Cueには、カムイ・イノベーションが開発した等方性画像生成を行うソフトウェアが実装されており、4台のカメラ画像から360°シームレスの画像を合成処理して、スマートフォンなどに転送するデモを行った。
「各カメラで撮影した映像の両端を画像補正して合成するため、映像のつなぎ目でも死角は生じない。全画角においてほぼ均一の解像度が得られ、視点からの距離感も保たれる。スマートフォンに表示された合成映像は、スマートフォンの動きに連動して景色が360°スライドする」(説明員)と話す。
F-Cueはすでに受注を始めており、2016年末までには出荷を開始する予定である。別売でインタフェースなどの拡張ボードも用意している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 会場で要チェック「ET/IoTアワード」受賞社決定
優れた組み込み技術や製品、ソリューション、サービスに対して表彰する「ET/IoT Technologyアワード」の受賞社を組込みシステム技術協会が発表。2016年11月16日から開催される「組込み総合技術展 Embedded Technology 2016/IoT Technology 2016」の各出展社ブースで展示される。 - 5分で始めるセンサー評価、ロームが新製品を展示
ロームは、「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日/パシフィコ横浜)で、容易にセンサーの評価が可能になるキットの新製品を展示した。 - 圧電ブザーで鳥の声もきれいに再生できるソフト
CRI・ミドルウェアは、2016年11月16〜18日にパシフィコ横浜で開催されている。「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」で、組み込みマイコンで高品質な音声出力を実現するミドルウェア「D-Amp Driver(ダンプドライバー)」の新製品を展示する。 - IoTシステム全体を見据えた「Watson IoT」の強み
日本アイ・ビー・エムは、2016年11月16〜18日にパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」で、IoTを活用する上で必要な各種APIと連携できるソフトウェア開発環境などを提供する「Watson IoT Platform」を中心に展示する。 - すぐにIoTが試せる「Armadillo-IoT PoC」が登場
アットマークテクノは、2016年11月16〜18日に開催される展示会「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」(会場:パシフィコ横浜)でIoT(モノのインターネット)用ゲートウェイ「Armadillo-IoTゲートウェイ G3シリーズ」を中心に、IoTシステムを迅速に構築するソリューションの提案を行う。 - 96Boards仕様に準拠、名刺サイズのCPUボード
富士通エレクトロニクスは、Linaroの「96Boards」仕様に準拠した、名刺サイズのCPUボード「F-Cue(エフキュウ)」を開発した。