“よく飛ぶ”無線モジュール、見通しで7km以上:ET2016レポート
インタープランは、「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日/パシフィコ横浜)で、組み込み用無線モジュール「IM920」を展示した。同製品は920MHz帯の独自プロトコルで無線通信を行い、通信距離7km以上を実現するという。
アンテナの地上高が高いと15km以上
インタープランは、2016年11月16〜18日にパシフィコ横浜で開催された「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」で、組み込み用無線モジュール「IM920」を展示した。
同製品は、920MHz帯の独自プロトコルで無線通信を行う。最大の特長は、“よく飛ぶ”ことである。50kビット/秒の高速モードと、スペクトラム拡散を使用した1.25kビット/秒の長距離モードをコマンドで切り替えでき、長距離モードでは通信距離7km以上を実現する(高速モードでは、約500m)。また、アンテナ地上高を海抜約180mと高くして実験したところ、15km以上の通信距離を実現したという。
同社の武田洋一氏は、「(ECサイトの)Amazonで購入できるなど、手軽に使えることもメリットだ。2013年に発表後、工場や医療、農業などで導入されている」と語る。
IM920のサイズは30×40×5mmで、動作温度範囲は−20〜80℃となっている。送信出力は0.1mW、1mW、10mWをコマンドで設定可能。受信感度は、長距離モードで約−112dBmである。動作電圧は2.0〜3.6Vで、消費電流は送信時が26mA(0.1mW時)、受信時は27mA(typ)、スタンバイ時は5μA(typ)。金属筐体を使用する場合などに向く外部アンテナタイプと、データ通信専用の小型タイプもそろえた。
JASA特別賞を受賞
IM920は、ET2016出展物を対象にした表彰「ET/IoT Technologyアワード」において、新規出展社、中小・中堅企業部門表彰に相当する「JASA(組込みシステム技術協会)特別賞」を受賞した。
JASAは、「920MHz帯の無線通信が手軽に使用でき、低消費電力の実用的な製品。企画から開発、設計、製造まで一貫して行える技術力、入手ルートも整備しクイックスタートを可能としたビジネス利便性への配慮などを評価した」とコメントしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 圧電ブザーで鳥の声もきれいに再生できるソフト
CRI・ミドルウェアは、2016年11月16〜18日にパシフィコ横浜で開催されている。「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」で、組み込みマイコンで高品質な音声出力を実現するミドルウェア「D-Amp Driver(ダンプドライバー)」の新製品を展示する。 - IoT無線事業買収シナジーを披露――Cypress
組み込みシステム/IoT(モノのインターネット)関連技術展示会「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」が2016年11月16日から開催される。EE Times Japan/MONOistでは、開催に先駆けて同展示会の注目出展社の見どころを紹介している。今回は、このほど、BroadcomのIoT向け無線通信事業を買収するなど、IoT向けソリューションを強化しているCypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)の日本法人である日本サイプレスのブースの見どころを紹介する。 - “とにかく早いIoT”を実現する、Kiiのクラウド
2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜で「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」が開催される。EE Times Japan/MONOistでは、同展示会の開催に先駆けて、出展企業に展示する内容の事前取材を進めている。今回は、IoTクラウドプラットフォームを提供するKii社長の鈴木尚志氏と、プロダクトマーケティングマネジャーの山下頼行氏に話を聞いた。 - 衛星信号だけで誤差cmの測位を実現するデコーダー
2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜で「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」が開催される。コアのブースでは、同社のエンベデッド技術を生かしたソリューションを「育む」「研ぎすます」「繋ぐ」のゾーンに分けて展示するという。 - 「新しいIoTビジネス創出を」 30周年迎えるET展
2016年11月16〜18日、横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜で「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」が開催される。主催する組込みシステム技術協会(JASA)と、企画・推進を行うJTBコミュニケーションデザインに注目点について聞いた。 - ETとIoT技術を融合、新たな成長と価値を創出
組み込み総合技術展「Embedded Technology 2016(ET2016)」と、IoT(モノのインターネット)総合技術展「IoT Technology 2016」がことしも同時開催される。組み込み技術とIoT技術の融合によってビジネスイノベーションを巻き起こそうとしている。