Xilinx、機械学習の推論に強いFPGAをアピール:「競合比2〜6倍の効率」(2/2 ページ)
Xilinx(ザイリンクス)は2016年12月、データセンター向けのビジネスに関する記者説明会を都内で開催した。
FPGAのフレキシブルさ
推論プロセス用途で、競合となるGPUやCPU、TPUなどのカスタムチップなどと比べた優位性についてXilinxコーポレートストラテジー&マーケティングシニアバイスプレジデントのSteve Glaser氏は「CPUは、FPGA以上にさまざまなアプリケーションに対応できるフレキシブルさがあると言えるが、電力効率はFPGAの方が圧倒的に良い。GPUやカスタムチップは、特定の限られたタスクについては高効率に処理できるが、フレキシブルさはない。さまざまなアプリケーションに対応できるフレキシブルさを求めるデータセンター、サーバの方が圧倒的に多く、リコンフィギュアブル(再構成可能)であるFPGAが有利だ」と強調した。
Xilinxは既に、ハイパースケールデータセンターと呼ばれるGoogle、Microsoft、Facebook、Amazon、Baidu、Alibaba、Tencentの7社のうち「Amazon、Baiduなど3社のデータセンターでの機械学習用途にXilinx製FPGAが採用され、現在、他の2社とトライアルを行っている」(Glaser氏)と明かした。Baiduでは音声認識に向けた機械学習用途で使用され「将来的には自動運転車用途でも活用される見込み」(同氏)。Amazon(Amazon Web Service)では、「Amazon EC2 F1 Instances」としてFPGAの利用を打ち出したクラウドコンピューティングサービスの提供を発表し、既に複数の企業が同サービスを導入する意向を表明しているという。
アクセラレーションスタックを提供
ハイパースケールデータセンターでの採用を伸ばすXilinxでは「さらにこの流れを加速させる」(Glaser氏)との目的で、クラウドサービスプロバイダーが機械学習などの処理を行うアクセラレーションプラットフォームを迅速に開発、展開できる「アクセラレーションスタック」の提供をこのほど開始。同スタックには、リファレンスデザイン(ハードウェア)の他、アプリケーションライブラリ、OpenStackサポートパッケージなどで構成されているという。
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