銅配線プロセスとメタルハードマスクで新技術:SEMICON Japan直前取材(2/2 ページ)
アルバックは、「SEMICON Japan 2016」(2016年12月14〜16日/東京ビッグサイト)で、マルチチャンバー型スパッタリング装置として、メインプラットフォーム向け「ENTRON-EX W300」や、小規模量産ライン向け「MLX-3000N」などを紹介する。
200mmウエハー対応製造ライン向け装置にも注力
もう1つの注力製品が、小規模量産ラインに向けたマルチチャンバー型スパッタリング装置「MLX-3000N」である。パワー半導体など75〜200mmサイズのウエハーを用いた半導体デバイス製造に向ける。ENTRON-EX W300向けに開発した最新技術も、MLX-3000Nにフィードバックして活用しているという。
松竹氏によれば、「200mmサイズおよびそれ以下のウエハー対応の製造ラインに向けて、新規開発の装置を供給する企業は年々減少している」という。それに対して同社は「半導体装置事業部と電子機器事業部が足並みをそろえて、必要となる技術の開発に取り組み、新製品を開発、供給している。グループ会社のアルバックテクノは、現行装置のアップグレードや改良を手掛け、設置済み装置でも最新機能を追加できるサービスを行い、中古装置の販売も行う」など、IoT社会に向けて注目を集める「200mmファブの活用」を、全社挙げて支援していく方針だ。
大手ロジックファウンドリーと共同研究
同社は、先端メモリの製造ライン向けに、多くの納入実績を持つ。今後は、ロジックICの製造ラインに対するアプローチも、これまで以上に強化していく考えである。ENTRON-EX W300で実現した、「銅配線プロセスにおける微小溝への埋め込み技術」や「加工用メタルハードマスク技術」は、ロジックIC製造ライン向けのビジネスを展開していくうえで、強力な武器になるという。
松竹氏は、「ロジックIC製造ライン向け装置には、もう1段高いレベルの信頼性が要求される。しかも、半導体メーカーに新規採用してもらうには、稼働している量産ラインへの導入実績なども、装置評価の材料となる」と話す。そのため同社は、大手ファウンドリーとロジックIC製造ラインに評価装置を導入し、共同でプロセスの開発と評価を行っている。「このプロジェクトが成功すれば、導入実績を積み重ねていくための第一歩となる」という。ロジックIC製造装置事業を拡大するための突破口にしたい考えである。
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