IoTが変える未来 SEMICON Japanで動向を探る:my震度に2人乗り超小型EV(3/3 ページ)
マイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの展示会「SEMICON Japan 2016」が、2016年12月14〜16日にかけて、東京ビッグサイトで開催されている。注目の1つが今回で3回目を迎える「WORLD OF IOT」だろう。本記事では、その一部を写真で紹介する。
歩行の特徴を解析するカーペット
WORLD OF IOT内では、SEMIが2015年10月に初めて戦略的パートナー協定を締結したFlexTech Allianceに関連する展示も行われていた。FlexTech Allianceは、2008年に設立されたFlexible Hybrid Electronics(FHE)産業を促進する団体である。FHEとは、従来のIC構造とプリンテッドエレクトロニクスを組み合わせた製造技術を指す。
日本写真印刷は、FHEエリアで「大面積荷重分布センサー」などを展示。カーペットの上を歩行するだけで、歩幅や速度、重心などの特徴を解析できる。カーペットの下には、同社が展開してきたフォースセンサーを応用して開発したセンサーが敷き詰められている。タッチパネルなどの圧力検知に用いられてきたものだが、ロールツーロール方式で印刷することで、抵抗値を抑えながら薄く大型のセンサー開発を実現したという。
用途としては、健康管理やスポーツ分野などでの活用を想定。説明員は「SEMICON Japanでニーズをヒアリングし、2017年度中の実用化を目指したい」と語る。
導電素材を用いた生体情報計測ウェア
東洋紡は、フィルム状の導電素材「COCOMI」を用いた生体情報計測ウェアを展示した。COCOMIは伸縮性に優れ、約0.3mmと薄いため一般の衣服と着心地が変わらない。導電性に優れた材料を使用しているため、抵抗値は1Ω以下を実現。胸部分に取り付けた電極が、心臓からの微弱な電流を検知し、高い精度で生体情報を取得できるとする。今後は洗濯性などの向上とともに、衣料メーカーと協業して展開を進めていくとした。
「IoTで日本の半導体業界の将来は明るい」
ここまで、WORLD OF IOTに関する展示の一部を紹介してきた。SEMIジャパン代表の中村修氏は、冒頭で挙げたインタビューで「日本の半導体業界の将来は明るい」とも語る。IoTの拡大により、200mmファブの需要拡大が予想されるからだ。IoTでは、少量多品種の製造需要が加速し、生産能力の高さと製品構成の多様性が求められる。日本は200mmファブでは世界最大の生産能力を持ち、少量多品種製造に向く製品ラインがそろっていると指摘する。IoTで市場はどのように変化するのか、今後も注目である。
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