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フォトレジスト不要で直接パターニング、VUVユニットSEMICON Japanに展示

ウシオ電機は、「SEMICON Japan 2016」(2016年12月14〜16日/東京ビッグサイト)で、フォトレジストが不要で直接パターニングができる真空紫外平行光ユニットなどを展示している。

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レジスト工程なしで1μmまで

 ウシオ電機は、2016年12月14〜16日に東京ビッグサイトで開催されている「SEMICON Japan 2016」で、フォトレジストが不要で直接パターニングができる真空紫外平行光(VUV)ユニットなどを展示している。真空紫外とは従来のパターニングで使用される365nmより短波長である200nm以下の光を指す。波長が短い真空紫外光は、表面改質や精密ドライ洗浄用光源としてFPD半導体の製造プロセスで活用されているのが一般的だ。

 現行のリソグラフィは安定的で微細なデバイスを提供できる技術だが、工程が多いため大きな設備投資が必要になる。また、印刷技術によるプリンテッドエレクトロニクスの普及も進んでいるが、パターニングによる解像度に限界があるという。

 そこで、同社が新たな微細配線技術として開発を進めているのがVUVユニットによる配線形成プロセスとなる。基材の表面に自己組織化膜(SAM:Self-Assembled Monolayer)などの撥水層を形成し、そこにフォトマスクを介してVUV光を照射することで選択的に親水部を形成。その後、親水部のみに導電性インクやメッキ法などで回路を形成する方法だ。

 従来はVUV光ランプは直管型のため、斜め入射の光が多くなってしまい、高精細な露光が困難という課題があった。同社はこれまで培ってきた光源技術を活用して、ランプを点光源にして集光することで、光を平行にすることを可能にした。これにより、レジスト塗布、現像、エッチング、レジスト剥離という一連の工程を削減できた。現在、1μmのパターニングまで成功しているという。

左=平行光と既存の光技術の違い/右=従来のリソグラフィ工程との違い (クリックで拡大)

ウシオ電機が開発した実験機。A4サイズまで露光できるという(クリックで拡大)

 同社では実験機の開発まで進んでおり、ランプの出力を2014年2月の発表から約10倍まで向上した。今後は材料メーカーとの協業を進め、プロセスの完成度を高めていく。

 担当者は「リソグラフィの設備を持つ顧客は、数万個単位で生産規模を受注をするため、月に数百個といった生産は難しい。VUVユニットは、レジストの工程が不要のため、必要な個数だけ生産する形が可能になる。当初はこのような少量多品種で生産する顧客に展開し、将来的には光源を複数用いて大きな面積に対応するなどを検討したい」と語る。

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