銅コアの部品内蔵基板が“小型化”にもたらす可能性:インターネプコン ジャパン
太陽誘電は「第46回 インターネプコン ジャパン」(2017年1月18〜20日/東京ビッグサイト)で、モジュールの小型化に貢献する部品内蔵配線基板「EOMIN」などを展示した。
高剛性、高放熱性などの特長も
太陽誘電は、2017年1月18〜20日に東京ビッグサイトで開催された「第46回 インターネプコン ジャパン」で、部品内蔵配線基板「EOMIN」などを展示した。
EOMINとは、有機樹脂ビルドアップ基板のコアに銅(Cu)を活用し、エッチングにより内蔵部品のスペースを作ることで、部品を内蔵することを実現した配線板である。積層セラミックコンデンサーなどの受動部品や、ウエハーレベルチップサイズパッケージ(WL-CSP)の半導体が内蔵可能となっている。
EOMINの最大の特長は、従来のように配線板の表面に部品を実装するのではなく、部品を配線板に内蔵することで、モジュールを小型化できることだ。またCuコアが強力なGND(グラウンド)となり、シールドとしてノイズの低減が可能になるという。曲げに強い高剛性や、横方向への熱拡散が可能になることによる高放熱性も特長である。
産業機器向けにも展開へ
太陽誘電が2014年8月に発表したBluetooth Smart対応モジュール製品。一番右の製品が「EOMIN」を活用して小型化した「EVSFLNZXX」となっている (クリックで拡大) 出典:太陽誘電
ブース担当者は「EOMINは2006年10月に発表してから、スマートフォンのカメラモジュールやサブ電源などに採用されてきた」と語る。2014年8月には、Bluetooth Smartに対応した無線通信モジュールにおいて、EOMINを用いて小型化した製品を発表した。
2015年6月には、スマートフォンなどに搭載されるダブルレンズ対応カメラモジュール向けに、2個のイメージセンサーを実装可能なEOMINを発表している。ダブルカメラでは2個のイメージセンサーの光軸を正確に合わせるだけでなく、基板が長方形となり平たん性や剛性が従来以上に求められる。これらの要求をEOMINが解決できるとする。
価格に関して、担当者は「内蔵する部品にもよるが、貫通基板よりは大幅に高く、ビルドアップ基板よりも少し高いイメージである。ビルドアップ基板をより小型化したいという要求が強い顧客に対しては、費用対効果が高いと考えている」と語る。
今後は材料などを見直すことで、低コスト化や高機能化を進めていく。現在の耐圧は6.3〜50Vだが、さらに高めることで産業機器向けにも展開していく予定だ。
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