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eCall向けバックアップ電源を長寿命化する充電IC:数カ月放置した車でも大丈夫(2/2 ページ)
Intersil(インターシル)は「第9回 国際カーエレクトロニクス技術展」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)で、「eCall」などの自動緊急通報システム向けに、充電IC「ISL78693」を発表した。自動緊急通報システムのバックアップ電源の充電状態をより長い期間、維持できるようになる。
車載ビジネスは堅調な伸び
Intersilのオートモーティブ部門でProduct Line Directorを務めるNiall Lyne氏によると、同社の車載ビジネスは過去5年間、堅調に伸びていて、2016年は前年比で18%成長したという。「これは業界の年平均成長率を上回る伸び率だ。2017年も2桁の成長を見込んでいる」とLyne氏は話す。2桁成長を実現すべく、Intersilが強化する分野が、ISL78693のターゲット市場でもあるバッテリー/パワーマネジメントである。特に、HEV(ハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)のバッテリーマネジメントシステムや、48V系のDC-DCコントローラー、48V系/12V系に対応したマルチフェーズ昇降圧コントローラーなどを挙げた。
4チャンネル差動入力ビデオデコーダー「ISL79985」。デモでは、4つのカメラで撮影した周囲の映像を表示していた。ADAS(先進運転支援システム)向けに360度画像を実現できるICで、MIPI-CSI2のインタフェースを内蔵している(クリックで拡大)
なお、ルネサス エレクトロニクスは2016年9月、Intersilを32億1900万米ドル(約3274億円)で買収すると発表した。現在は買収完了に向けた作業を進めている。
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