2016年の半導体購入額、目立つ中国メーカーの躍進:Samsungが1位に返り咲き
Gartnerは、2016年の主要電子機器メーカーの半導体製品購入額に関する調査結果を発表した。
上位10社で中国企業が初の3社ランクイン
米国の市場調査会社Gartner(ガートナー)は2017年2月1日、2016年の主要電子機器メーカーの半導体製品購入額に関する調査結果を発表した。同調査結果によると、2016年に最も半導体製品を購入した電子機器メーカーはSamsung Electronicsで、2位がApple。両社の合計は世界全体の18.2%を占めており、前年比4億米ドル増加の617億米ドルとなった。
Samsung Electronicsは、スマートフォンや液晶テレビなどの市場で中国の電子機器メーカーとの競争が激化する1年となったが、前年比4.4%増の303億4300万米ドル。Appleは、2016年3月に発表した「iPad Pro 9.7インチ」の販売数が伸びず、PC市場のシェアも減少したことから、前年比2.9%減の308億8500万米ドルとなっている。
上位10社を国別で見ると、中国メーカーが初めて3社ランクイン。中でもスマートフォンメーカーのBBK Electronicsが、前年比131.4%増の58億1800万米ドルと急成長した。これにより、2015年に10位だったCisco Systemsが外れる形となった。
ガートナーで主席アナリストを務める山地正恒氏は、発表資料の中で「2016年にBBK Electronicsは、急成長を遂げて半導体消費も増加したが、その異常な急成長ぶりは、中国のビジネスがいかに変化しやすいかを如実に物語っている。半導体ベンダー各社のハイテク製品マーケティングリーダーは、自社の大手顧客のリスクを考慮するとともに、顧客ベースの多様化を常に図るよう努める必要がある」と述べている。
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