成熟Bluetoothチップ市場に吹く新風:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(13)(3/4 ページ)
世界の至るところで使われるようになった無線技術「Bluetooth」。機器分解を手掛ける筆者も週に2機種のペースでBluetooth搭載機器を分解している。そうした機器解剖を通じて見えてきたBluetoothチップ業界の意外な最新トレンドを紹介しよう。
Bluetoothチップ市場はNordicの独走かと思いきや
Bluetoothチップ市場もスマートフォン用モデムチップなどと同じく多くのメーカーが半導体を提供してきた。しかし市場の成熟に伴って勝者と敗者が明確化しつつある。“All or Nothing”の世界はここも同じ。先に上げた採用を伸ばす欧米メーカーと中国の新興メーカーによって2分されようというのが現在のBluetoothチップ市場の状況である(中国のBluetoothチップメーカー事情はいずれ本連載の中で報告したい)。
優勝劣敗がはっきりしつつあると思いきや、Nordicの独走を追うメーカーがイギリスで現れたのだ。Dialog Semiconductor(ダイアログ・セミコンダクター)である。
Dialogは、Apple製品(iPad、iPhone、Apple Watch、iPod)の全てに電源ICが採用されていることで有名な半導体メーカーだ。図3のように日米欧中台韓の大手機器メーカーのメインシステムの電源にICが採用され、2015年からは台湾MediaTekのチップとも組み合わされている。
電源ICのトップメーカーであるDialogが2014年に突如としてBluetoothチップ市場に打って出たのだ。新参モノがやすやすと入れないのは半導体市場の常である。実績を重視するからだ。
しかし図4のように、中国のXiaomi(シャオミ)のリストバンド型ウェアラブル機器やMicrosoft(マイクロソフト)のワイヤレスコントローラーに採用されている。
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