ルネサスのインターシル買収が完了:完全子会社化
ルネサス エレクトロニクスは2017年2月24日にIntersil(インターシル)の買収を完了し、完全子会社化したと発表した。
170億米ドルのシナジー発揮見込む
ルネサス エレクトロニクスは2017年2月24日(米国時間)、Intersil(インターシル)の買収を完了したと発表した。
ルネサスとインターシルは2016年9月13日に、ルネサスがインターシルを32億1900万米ドルで買収することで合意。合意当初は、2017年6月末までの買収完了を見込んでいたが、当初の想定よりも各国の関係当局からの買収承認取得がスムーズに進み、2017年2月24日(米国時間)での買収完了となった。
今後、インターシルは、ルネサスの完全子会社として事業を継続する。「米国フロリダ州パームベイにあるインターシルの生産拠点の操業を継続し、米国カリフォルニア州ミルピタスにあるインターシル本社オフィス、設計拠点、ならびに世界中のインターシルのお客様に対する営業や技術サポート体制も存続させていく予定」(ルネサス)とする。インターシルの社長兼CEOはNecip Sayiner氏が引き続き務める。なおSayiner氏は2月24日付でSayiner氏はルネサスの執行役員常務に就任している。
ルネサスは、電源用半導体を中心としたアナログ、ミックスドシグナル半導体を手掛けるインターシルを傘下に収めることで、近年、強化を続けている複数の半導体製品や関連製品、サービスを包括的に販売するソリューションビジネスを一層強化する方針。ルネサスでは、インターシル買収により、短期、中期的な売り上げ機会増加、事業基盤の拡大によるコスト削減を見込み、4〜5年程度先に営業利益ベースで年間170億円程度の相乗効果を見込む。
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