ルネサス ボード製造事業などをマクセルへ譲渡:戦略的方向性一致せず
ルネサス エレクトロニクスは2017年1月31日、子会社で展開する産業用制御ボード、画像認識システム事業を日立マクセルに譲渡すると発表した。
羽黒電子以来の事業
ルネサス エレクトロニクスは2017年1月31日、完全子会社であるルネサス セミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ(以下、RSPT)で行っている産業用制御ボード受託開発、製造事業と、画像認識システムの開発、製造、販売事業を日立マクセルに譲渡すると発表した。譲渡額は公表していない。
事業譲渡するのは、半導体製造装置向けをはじめとした各種産業用制御ボード事業と、画像認識システム事業。2014年にRSPTが吸収合併した羽黒電子が手掛けてきた事業にあたる。売り上げ規模は、2016年3月期実績で約50億円。ルネサスによると譲渡対象事業は「継続して利益を創出している」とするが、「半導体の設計、開発、製造、販売を主とした当社グループ事業との戦略的方向性が必ずしも一致していない状況に鑑み、当社は、本事業の更なる拡大やシナジー効果を期待できるパートナー企業を模索してきた」という。
事業を譲り受ける日立マクセルは「譲受事業が長年培った画像認識システムの開発、製造及び販売力を積極的に活用し、当社の画像処理技術および光学技術との融合により成長分野での拡大を図っていく。受託開発、製造事業の持つ高い設計力と人財のシナジーにより、新規事業の創出および収益力強化につなげていく」としている。
事業譲渡は、譲渡対象事業と同事業に従事する従業員を全て会社分割により新設会社に移管し、新設会社の全株式が日立マクセルに譲渡される形で行われる。譲渡完了日は2017年5月1日を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2016年半導体メーカー売上高トップ10――Gartner
Gartnerは、2016年における世界の半導体メーカー別売上高ランキング(上位10社)を発表した。 - 2016年半導体業界再編を振り返る
2016年も、半導体業界の“M&Aの嵐”がやむことはなかった――。2016年年末企画として、ことし1年間に半導体業界で繰り広げられた買収劇(16件)を振り返っていく。 - ルネサス呉CEO、2017年度は「売り上げ上昇する」
ルネサス エレクトロニクスの社長兼CEOの呉文精氏は2016年12月、EE Times Japanのインタビューに応じ、2017年度(2018年3月期)は売り上げ上昇を伴う成長を実現するとの意向を示した。Intersilの買収についても「順調に進んでいる」とした。 - マクセル、スマートメーター用CR電池を増産へ
日立マクセルは2016年6月13日、円筒形二酸化マンガンリチウム電池(CR電池)の生産能力を現行の2倍に引き上げる増産計画を公表した。 - リコーの色素増感太陽電池とマクセルのラミネート電池を採用した環境発電センサー端末
アルティマは2015年5月11日、リコー、日立マクセルと共同で、電池交換の必要のない温湿度や照度などを情報を取得するワイヤレスセンサーネットワーク端末を開発したと発表した。