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CIS系薄膜太陽電池で、19.2%の変換効率達成コスト目標14円/kWhへ前進

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とソーラーフロンティアは、外形寸法が30×30cmのCIS系薄膜太陽電池サブモジュールを開発し、変換効率19.2%を達成した。

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バッファ層や光吸収層のプロセス改良などで実現

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とソーラーフロンティアは2017年2月、外形寸法が30×30cmのCIS系薄膜太陽電池サブモジュールで、変換効率19.2%を達成したと発表した。NEDOは発電コストの目標として2020年に「14円/kWh」を掲げており、これを実現するための大きな前進とみている。


変換効率19.2%を達成したCIS系薄膜太陽電池サブモジュール(30cm角)の外観

 太陽電池の変換効率は、発電コストに関わる重要な性能指数の1つとなる。特に、銅やインジウム、セレンなどによる化合物を光吸収層とするCIS系薄膜太陽電池は、結晶シリコン系太陽電池に比べて膜厚を薄くできる。このため使用する原料が少なくて済み、省資源かつ低コストで製造可能というメリットがある。

 研究チームは今回、光吸収層における成膜プロセスを改良して品質の向上を図るとともに、バッファ層の変更などにより、30cm角のCIS系薄膜太陽電池サブモジュールで、変換効率19.2%を達成した。「この変換効率は世界最高」と主張する。ソーラーフロンティアは、薄膜系太陽電池サブモジュールで2012年12月に変換効率17.8%を達成している。今回はこの数値を1.4ポイントも上回ったことになる。

 NEDOは、発電コストの達成目標として、2020年に14円/kWh、2030年に7円/kWhを掲げて技術開発に取り組んでいる。今回の研究成果もその一環である。なお、ソーラーフロンティアは今回の研究成果を一部応用し、さらに性能を高めた製品の量産を2017年夏より始める予定である。

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