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高まるテスト部門の地位、戦略的資産にバックオフィス的な存在から(2/2 ページ)

日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は2017年3月3日、報道機関向けに自動テストの展望を説明する記者発表会を開催した。製造業においてテスト部門を、コストセンターから、戦略的資産という重要な位置付けに高めるためのシナリオを語った。

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3つの段階

 久保氏は、テスト部門を戦略的資産へと高めるには3つの段階的シナリオがあると説明する。「Invest(投資)」「Scale(拡張)」「Reuse(再利用)」だ。新しいテストシステムを導入するという「Invest」の段階では、まだコストセンターという要素が強い。だが、そのテストシステムを他の工場に拡張したり、開発する機器に合わせて再利用できるようになってくると、戦略的な部門への位置付けに近づいていく。テストシステムをゼロから立ち上げるのではなく、拡張したり再利用したりすれば、それだけテストシステム構築の時間は短くなり、早くテストを開始できる。開発効率が上がり、市場投入期間(Time to Market)が短縮される。ここまでくれば、テスト部門は「競争力を維持するためには欠かせない部門となるだろう」(久保氏)

 久保氏は「Reuse」の事例として、オランダのPhilipsを挙げた。Philipsは睡眠、呼吸障害治療システムのテスト環境を構築する際、テストプラットフォームを再利用した。その結果、年間で約450万米ドルのコスト削減につながったという。再利用ならば、テストソフトウェアの不具合も、ゼロから開発した時に比べて格段に減るので、リソースの無駄がなくなる。実際、Philipsは、ソフトウェアの不具合検出に掛かるコストを86%削減したという。


Philipsの事例(クリックで拡大) 出典:日本NI

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