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中国スマホの進化で消えゆく日本の“スイートスポット”製品分解で探るアジアの新トレンド(14)(1/3 ページ)

中国のスマートフォン市場では相変わらず新興メーカーの台頭が目立っている。そうした若いメーカーが開発するスマートフォンを分解すると、アプリケーションプロセッサなどのプラットフォーム以外の場所でも、中国半導体メーカーの浸透が始まっていることが明らかになった。

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注目すべき中国の新興スマホメーカー

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 中国スマートフォン市場には、まだまだ新たなプレーヤーが参入し続けている。今回紹介するVerneeは2016年2月に設立された新興中国スマートフォンメーカーだ。既に4機種がリリースされ、全てが日本でも入手可能になっている。VerneeのWebサイトの「About US」をぜひ見ていただきたい。若者だけで運営されているメーカーだ。

 図1はVerneeが2016年にリリースした「Apollo Lite」である。シャープの「IGZO」ディスプレイを採用した、ミドルハイの仕様のスマートフォンだ。ミドルハイ仕様といってもフルHDのディスプレイを備え、1600万画素+500万画素のカメラ、指紋認証、USB Type-C端子など最新スマートフォン並みの機構を持っている。事実上はハイエンドスペックのスマートフォンなのだが、極めて価格が安い。


図1:2016年に登場したハイエンドスマホ(クリックで拡大)出典:テカナリエレポート

 Verneeは、瞬く間に注目のブランドとなった。スペイン・バルセロナで開催された世界最大規模のモバイル機器展示市「MWC(Mobile World Congress) 2017」(2017年2月27日〜3月2日)にも出展し、ブース7G60で展示を行った。

 今回の報告時にはまだ発売されていないが(近日実機を入手後報告予定)、VerneeはMWC 2017で次々と新機種を発表した。「Apollo 2」「Apollo X」「Mars Pro」「Thor E」「Thor Plus」の5機種である。Apollo 2は台湾MediaTekの最新プラットフォーム「helio X30」を採用した。Apollo Xは、「世界初」(Vernee)のAndroid 7.0端末としている。「Thor Plus」は厚さわずか7.9mmの筐体に、6050mAhという一般的なスマートフォンに比べてほぼ倍の容量の電池を搭載しているという特徴を持っている。

 helio X30は、最先端の半導体デバイスに関する国際会議「ISSCC 2017」(2017年2月5〜9日、米国サンフランシスコ)でも発表された新しいチップである。10nmプロセスを用い、第2世代の10コアCPUを3階層で持つというモンスターチップの1つだ。10コアCPUに加え、GPU機能とモデム機能を1チップ化している。本チップについては、本連載の中で別途取り上げる予定である。

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