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中国スマホの進化で消えゆく日本の“スイートスポット”製品分解で探るアジアの新トレンド(14)(2/3 ページ)

中国のスマートフォン市場では相変わらず新興メーカーの台頭が目立っている。そうした若いメーカーが開発するスマートフォンを分解すると、アプリケーションプロセッサなどのプラットフォーム以外の場所でも、中国半導体メーカーの浸透が始まっていることが明らかになった。

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中国製チップの採用が進む

 今回は、Verneeの2016年のヒット商品となったApollo Liteについて見ていこう。図2はApollo Liteの基板を取り出したところである。基板そのものには何の特徴もない。Appleのように、びっしりとチップが隊列を成すような配置があるわけでもないし、Samsung Electronicsのような掘り出しアルミの筐体を用いるわけでもない。分解そのものも、特にてこずるような工夫箇所があるわけでもなく、写真撮影がなければ5分で終わってしまうようなものであった。

 基板は、機能によって明確に島が分かれている。プロセッサ部、RF部、電源部とおのおのが仕切られた島に分けられており、金属のシールドで分離されている。金属シールドを取り除くと、比較的緩やかな間隔でチップが配置されている。チップの一つ一つを観察すると、多くの中国半導体メーカーのチップが使われていることが明らかになった。タッチパネル用のコントローラー、LEDドライバー、+50mAのバイアスチップ、電源系のコンバーターなどだ。中国製チップの採用が明らかに進んでいる。


図2:「Apollo Lite」には中国製チップが多く採用されている(クリックで拡大)出典:テカナリエレポート

 図3はApollo Liteの機能チップ系統図である。台湾MediaTekのプラットフォーム「helio X20」で基本機能が構成されている。helio X20は3階層の10コアCPUを用いた第1世代の11コアチップである。そこにRFトランシーバー、Wi-Fi/Bluetoothなどのコンボチップと電源ICが組み合わされている。


図3:「Apollo Lite」の内部は、MediaTekの「helio X20」で構成されている(クリックで拡大)出典:テカナリエレポート

 この組み合わせのチップセットはVerneeのスマートフォンのみならず、多くのスマートフォンに活用されている。日本ではFreetelの「極(KIWAMI)2」がhelio X20を採用したことで有名だ。

 話題の機種では中国LeTVの「Le 2 Pro」が挙げられる。こちらには、周波数がアップされた「helio X25」が採用されている。Le 2 Proは2016年初夏に発売されたモデルで、Appleの「iPhone7」よりも数カ月前に、3.5mmのヘッドフォンジャックを廃止したことで話題となった。中国HOMTOMの「HT10」は、セキュリティに虹彩認証を用いたことで注目を集めた機種で、こちらもhelio X20を採用している。

 Apollo Liteの場合は、図3のように、helio X20の他、SamsungのCMOSイメージセンサーやSTMicroelectronicsの6軸センサーが搭載されている。

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