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マイクロソフトがARMサーバの検証へWindows ServerをARMチップに移植(2/2 ページ)

米国で開催された「OCP Summit 2017」でMicrosoft(マイクロソフト)がARMサーバを採用し、その検証を開始したことが分かった。CaviumやQualcommのサーバ向けARMチップを使っている。

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2017年には強力なサーバが登場か

 FacebookとHP(Hewlett-Packard)は、初期のARMサーバシステムを開発しているが、両社ともこの取り組みに関しては沈黙を守っている。新しいSoCシリーズは、より多くのコアやスレッドをサポート可能なため、Intelのサーバ向けプロセッサ「Xeon」と競合することになるとみられる。

 Van Doorn氏は、「2017年には、強力で頼もしいサーバが登場するだろう。今必要とされているのは、軟弱なサーバではなく強力なサーバだ。業界の他の企業も、同じ考えではないだろうか」と述べる。

 Microsoftは、Cavium、Qualcommとの協業を、複数世代のSoCにわたって続けるとみられている。Microsoftが、「CCIX(Cache Coherent Interconnect for Accelerators)」や「Gen-Z」といった新しいインターコネクト仕様に関心を寄せているからだ。

 Van Doorn氏はさらに、ARMが、自社の命令セットアーキテクチャを拡張するのではないかとみているようだ。サポートの必要なレガシーが多いIntelよりも簡単に、16ビット、32ビット、64ビットのオペレーションコードスペースをそれぞれ使用できるという。

Macomとの協業の可能性は?

 Microsoftが、この他に協業する可能性のあるSoCベンダーとしては、Macomが挙げられる。なおMacomは2017年1月、ARMサーバ用のSoC「X-Gene」を持つApplied Microを買収すると発表した。

 明示されていない中国関連の取り組みも2つある。1つはHuawei、もう1つは新興企業Phytiumとの協業とみられている。

 Microsoftは、同社のオープンソースのハードウェア仕様「Project Olympus」対応ボードを、今回初めて披露した。Intelの次世代プロセッサXeon(開発コード名は「Skylake」)と、AMDの「Zen」コアを採用したSoC「Naples(ネイプルス)」を搭載するという。


AMDの「Naples」を搭載したボード

「HGX-1」(クリックで拡大)

 Microsoftは、IntelのSkylakeボード上のメモリカードを覆い隠し、チップの性能が分からないようにしている。同社の広報担当者は、Intelの不揮発メモリ技術「3D XPoint」を使用した製品「Optane」をサポートする予定かどうかについては、コメントを避けた。

 MicrosoftのGPUアクセラレータシステム「HGX-1」は、96レーンのPCI Expressスイッチを4つ使用して、4つのシャシーと計32個のGPUを接続している。Microsoftのデータセンターハードウェアグループ担当ゼネラルマネジャーを務めるKushagra Vaid氏は、「これほどの拡張性を実現できる製品は、他にはないだろう」と述べている。

 MicrosoftのライバルであるAlibabaと、NVIDIAのライバルである新興企業Graphcoreからの参加者たちは、Microsoftのブースにおいて、他の多くの企業と同じく、機械学習システムに関する質問をエンジニアたちに浴びせかけていた。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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