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ソラコムとPFN、CeBIT 2017で共同デモを展示エッジヘビーコンピューティング

ソラコムとPreferred Networksは、2017年3月20〜24日にドイツのハノーバーで開催されている展示会「CeBIT(セビット) 2017」で、深層学習を用いた共同デモを展示している。

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「エッジヘビーコンピューティング」

 IoT通信プラットフォーム「SORACOM」を提供するソラコムは、2017年3月20〜24日にドイツのハノーバーで開催されている展示会「CeBIT(セビット) 2017」で、Preferred Networks(以下、PFN)との共同デモを展示している。

 両社が展示するのは、カメラに映った人物の映像をその場で分析し、分析結果のみをクラウドに上げて可視化するデモである。NVIDIAのGPUモジュール「Jetson TX1」上で、PFNの深層学習プラットフォーム「DIMo(ダイモ)」を動作。Jetson TX1に接続したカメラに映った人物のデモグラフィックをその場で分析し、メタ情報のみをMVNO(仮想移動体通信事業者)接続サービス「SORACOM Air」でクラウドに転送する。ソラコムの「SORACOM Harvest」を用いて、蓄積したデータを可視化する流れだ。


「エッジヘビーコンピューティング」デモの概要 (クリックで拡大) 出典:PFN
「エッジヘビーコンピューティング」デモの概要 (クリックで拡大) 出典:PFN

 今回のデモは、PFNが掲げるコンセプト「エッジヘビーコンピューティング」を体現するものである。エッジヘビーコンピューティングとは、本当に価値のあるデータだけを効率的にクラウドへ送信することを意味する。IoTデバイスから得られるデータの量は膨大で、クラウド上で全て処理するのは多くの時間がかかってしまう。データの中にはほとんど活用されないものも多いため、PFNで最高戦略責任者(CSO)を務める丸山宏氏は「データ1ビット当たりの価値単価が低い」と語る。

 PFNは、ネットワークデバイスやエッジデバイスに深層学習のアルゴリズムを搭載し、分散協調的に深層学習を行うコンピューティングを目指す。これによりクラウドへの負荷を低減し、処理のレイテンシを下げることが可能になる。PFNによると、SORACOM Harvestに送るデータは元画像と比較して100分の1以下のサイズという。

 レイテンシを下げられるだけでなく、映像をクラウドに蓄積せずに分析後カメラ側で破棄するため、プライバシーを守りやすいなどのメリットも挙げられる。


IoT向け通信プラットフォーム「SORACOM」の特長 (クリックで拡大) 出典:ソラコム

 丸山氏は「今回のデモは映像データ解析だけでなく、さまざまな応用が考えられる。例えば最新の航空機は数千個のセンサーを持ち、1フライト当たり数テラバイトの生データを生成する。その時、オンボードで深層学習を行いデータの統計的性質だけを抽出することにより、重要な情報のみをリアルタイムでクラウドに送ることが可能」とした。

 なおソラコムは、CeBIT 2017のジャパンパビリオンおいて、PALTEKとユーピーアールと連携して開発したインダストリアルIoT向けソリューションも展示する予定だ。

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