100%のコード再利用が可能、TIが新MCU開発環境:IoT機器や産業機器向け(1/2 ページ)
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、より強固なセキュリティ機能が求められるIoT機器などの開発効率を高めることができる「SimpleLinkマイコン製品プラットフォーム」を発表した。
開発効率を改善、100%のコード再利用が可能に
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2017年3月23日、新しい「SimpleLinkマイコン製品プラットフォーム」を発表した。さまざまなネットワーク環境に対応し、より強固なセキュリティ機能が求められるIoT(モノのインターネット)機器などの開発効率を高めることができる。
SimpleLinkマイコン製品プラットフォームは、IoT機器などの開発に必要なハードウェアやソフトウェア、評価ツールなどを単一の開発環境で用いることができる。このため、機器の機能や性能の拡張などを容易に行うことができる。
特に、新たなソフトウェア開発キット(SDK)は、共通のドライバー群やフレームワーク、ライブラリーを基盤としている。POSIX準拠のAPI群もサポートしている。このため、多くのOS/カーネルに対する移植も容易で、開発済みのプログラムコードを100%再利用が可能だという。
同プラットフォームでサポートしているマイコン製品は、「MSP432」をはじめとする低消費電力コネクテッドARMマイコンの他、「Bluetooth Low Energy」や「Sub-1GHz」、及びこれらのデュアルバンド、「Wi-Fi」などの無線通信規格に対応するワイヤレスマイコン製品など800種類を上回るという。今後は「ZigBee」や「Thread」「Ethernet」などに対応するマイコン製品も追加していく予定だという。
TIで超低消費電力MSPマイコン事業のゼネラルマネージャを務めるMiller Adair氏は、「類似したプラットフォームがあるのは承知している。新製品には無線用ビルディングブロックが用意されている。このため、無線通信に関する複雑な規格や、高度な専門技術の知識がなくてもシステムを開発することが可能であり、無線接続性を容易に維持することができる」と、同社製品の強みを話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.