QualcommがAppleの提訴に反訴、特許係争は泥沼化:両社1歩も引かず
Appleは2017年1月に、不公正な特許慣行による損害を受けたとして、Qualcommを提訴した。これに対しQualcommが反訴している。
Qualcommが反論
Appleは2017年1月、10億米ドルの賠償金を求めてQualcommを提訴した。これに対し、Qualcommは、「Appleは、携帯電話機向けチップのロイヤリティーの支払いを拒否し、同社の契約メーカーに対しロイヤリティーを支払わないよう圧力をかけた。さらに、規制当局の調査を扇動し、当社のLTEモデムチップの性能を制限した」と反論している。QualcommはAppleに対して反訴し、134ページに上る訴状の中でこのように訴えた。
Appleは、「Qualcommは、法外な特許使用料を請求した他、規制当局に調査協力しないことを求めた」と主張している。
同訴状は、モバイル大手2社間の好戦的で複雑な関係と、特許使用料の闇の部分を浮き彫りにした。
Appleは、「Qualcommは、他の携帯電話機向け特許所有者の5倍のロイヤリティーを請求した」と訴えている。これに対しQualcommは、「Appleは、他のスマートフォンメーカーが支払っているロイヤリティーよりも少ない額しか支払わないにもかかわらず、5G(第5世代移動通信)向け技術など、より多くの特許の利用を求めた」と反論した。
Qualcommは最新の訴状の中で、カリフォルニア州南部地区連邦裁判所に対し、陪審裁判と損害賠償を求めた。
Qualcommは、同社が13万件に上る発行特許を所有していることに触れ、「Appleは、核となる携帯電話技術の開発には全く寄与せず、同技術のパイオニアである当社に大きく依存して、スマートフォン業界の利益の90%以上を得てきた」と主張した。
QualcommとAppleの両社は数年間にわたり、ライセンスに関する合意について断続的に交渉を重ねてきた。
Appleは、Samsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy」がiPhoneを模倣し、3件のユーザーインタフェースの特許を侵害しているとして、1台当たり7.14米ドルの損害賠償金を求める訴えを起こしている。
Qualcommは、「Appleは、台湾のODM(Original Design Manufacturing)であるCompal Electronics、Foxconn、Pegatron、Wistronに対して、2010年にQualcommと交わしたロイヤリティーに関する合意をほごにするよう圧力をかけている。その結果、当社は契約メーカーのロイヤリティー報告の正当性を確認できなかった」と述べている。
Qualcommは、「Appleは、当社との和平合意を破って、規制当局に偽りの情報を報告した。これは、Appleが行った最も扇動的な報復行為の1つだ」と述べている。
Appleは2016年8月17日に(米国時間)、韓国の規制当局に対し、Qualcommの排他的な行為によって他のモデムチップサプライヤーと契約できないと訴えた。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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