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電気で自在に調光できる窓、クラウドとの連携もブラインドもカーテンも不要?(3/3 ページ)

オフィスのように大きな窓がある場所では、日の光が差し込む角度や、日光の強さによって、ブラインドやカーテンを開けたり閉めたりする作業は、意外と手間がかかるものである。室温や時間帯によって、“窓自体”で調光できるシステムがあったらどうだろうか。

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広がるビジネスモデル

 Kinestralは、Halioを、自社のクラウドとともにプラットフォームとして提供する。Cha氏は、さまざまなビジネスモデルを想定している。例えば、Halioを使ったオフィスビルでは、月額でHalioの使用料を支払ってもらうシステムや、マンションやアパートでは毎月のHalio使用料から得た利益を、マンション・アパートのオーナーとシェアするといった具合だ。Kinestralは、ユーザーのニーズに合わせて柔軟にビジネスモデルを展開していく考えである。

旭硝子と提携

 Halioのガラスを提供しているのがAGC旭硝子(以下、AGC)だ。同社は2017年1月、Kinestralへの出資を発表した。Kinestralが発行する、総額6500万米ドルの新規株式の一部を引き受け、Kinestralに取締役1人を派遣して、パートナーシップを強化する。

 AGCのビルディング・産業ガラスカンパニーで戦略・企画室 副社長 スマートプロジェクトリーダーを務める工藤雅司氏は、2012年5月に初めてKinestralのテクノロジーを見たと話す。実は、AGCもエレクトロクロミック方式の調光ガラスを開発してきたが、コスト面や技術面で課題があり、市場に投入することはできなかった。それ故、エレクトロクロミック方式の調光ガラスを開発する難しさをよく分かっている同氏は、Kinestralの技術を見た瞬間に「これは優れている」と思ったそうだ。


AGCの工藤雅司氏(左)とKinestralのCha氏

 Kinestralは現在、Halioの量産に向けて準備を進めている。Kinestralがカリフォルニア州ヘイワードに建設した工場と、現在台湾に建設中の工場で製造される。ヘイワードでは1.3m×0.8mのサイズを、台湾では3.1m×1.5mのサイズを量産する予定だ。台湾で製造するに当たり、Kinestralは、台湾GTOC(G-Tech Optoelectronics:正達)とパートナーシップを締結した。GTOCは台湾Foxconnの傘下で、ガラス加工を手掛ける。GTOCは、建屋と設備をKinestralに提供する。3.1m×1.5mサイズのHalioは、2018年半ばから出荷される予定だ。

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