「e-F@ctory」、次世代のものづくりを提案:核となるC言語コントローラ
三菱電機は、「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC 2017)」で、FA-IT統合ソリューション「e-F@ctory」をコンセプトに、C言語コントローラや関連するパートナー製品などを展示した。
300社を超えるパートナー企業と連携
三菱電機は、「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC 2017)」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)で、FA-IT統合ソリューション「e-F@ctory」をコンセプトに、C言語コントローラや関連するパートナー製品などを展示した。
同社は、FA技術とITを活用して、開発から生産、保守にわたる全てのコストを削減し、ものづくり全体の最適化を支援するためのコンセプトとして、e-F@ctoryを2003年に掲げた。現在のIoT(モノのインターネット)につながる考え方である。生産現場で発生する各種データを解析し、予防、予知保全や工場全体の稼働率向上を達成するための提案を行う。
ブースでは、C言語コントローラを中心とした予防保全システムなどをデモ展示した。C言語コントローラは、同社シーケンサー「MELSEC iQ-R」シリーズなどでC言語プログラムを実行するためのオープンプラットフォームである。パートナー企業のリアルタイムOSやLinux OS、アプリケーションソフトウェアなどを組み込んで活用することができる。e-F@ctoryアライアンス企業はすでに300社を超える規模に達している。
これまでPCで行っていたデータ解析やシステム試験の演算処理をシーケンサー側で実行することができる。このため、クラウド側のサーバには最小限のデータを送信するだけで済むという。
ブースでは、C言語コントローラユニット「R12CCPU-V」やC言語インテリジェント機能ユニット「RD55UP06-V」、高速アナログ−デジタル変換ユニット「R60ADH4」などを組み合わせて、予防保全に活用するデモを行った。具体的には、各種装置に取り付けられたモーターやベアリングなど回転する部品を想定した。部品に取り付けたセンサーで振動を検知し、表示された波形データから摩耗などの状態を予測する。
C言語コントローラには振動の波形データを解析するライブラリーが標準搭載されている。これを活用することで部品の劣化状態を定量的に把握し、データを「見える化」することができる。装置が停止する前に部品の交換や修理を行えば、製造ラインのダウンタイムを最小限に抑えることが可能になるという。
この他、パートナー企業も展示した。たけびしは、OPC UA/MQTT機能を搭載したIoT対応データアクセスユニット「デバイスゲートウェイ」などを展示した。三菱電機以外の制御機器や産業機械、センサー製品など、各社の生産設備との通信機能も内蔵し、上位のIoTシステムと直結することができる。
Intelは、機械学習による振動解析設備モニタリングソリューションを参考技術として紹介した。産業機械に取り付けたセンサーで振動波形を収集し、パターンマッチング技術によりその波形を解析する。これによって、ポンプやモーターなどの異常を事前に検知することができる。機械学習を活用した解析をエッジ側で行うため、遅延が極めて少ないという。新たに生じた振動波形であれば、上位のアナリティクスサーバ側で学習し、その結果をエッジ側にフードバックしながら、解析の性能を高めていく。
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