中国で勝ち残るコツ、“ジャストフィットな仕様”を追求する:製品分解で探るアジアの新トレンド(17)(1/4 ページ)
米国のプロセッサメーカーAmlogicは、中国のSTB(セットトップボックス)市場で首位の座を獲得し続けている。Amlogicが中国市場で勝ち残ってきた要因は、何だろうか。中国で発売されるSTBやAndroid TV boxを分解すると、その答えが見えてくる。
STBが続々と発売されている中国
テカナリエでは定期的に中国で発売されるSTB(Set Top Box)、TV BOXなどを買って分解しチップの調査を行っている。Appleの「Apple TV」、Amazonの「Fire TV」、Googleの「Nexus Player」などとほぼ同等の機能を有したものと考えてもらえばいい。TVをインターネットに接続し、まるでスマートフォンのように使える製品だ。
中国でもスティックタイプの製品が多々発売されているが、今回扱う2機種はともにBOX型のSTB製品である。1つは中国Shenzhen Blueway Electronic TechnologyのAndroid TV box「ZENOPLIGE ZEN BOX 4K」、もう1つは中国Shenzhen AZW TechnologyのAndroid TV box「Beelink GT1」ある。
図1に2機種の外観を掲載した。ともに10メガビット/秒(Mbps)/100Mbps/1000Mbpsに対応したイーサネット端子、USB端子、HDMI端子を基本入出力端子とし、さらにはSDカードスロット、光オーディオ端子を備えている。またWi-FiとBluetooth通信機能も搭載していて、無線を介してスマートフォンとのやりとりも可能になっている。
大きさは手のひらに乗るサイズで、重さはスマートフォンよりも若干重い程度である。なぜ重いかというと、設置した際にぐらつかないように、内部には錘(おもり)金属が入っているからだ。
分解は極めて簡単で、筐体と錘を取り除くと、基板が取り出せる。分解に必要な工具は一般的に使われるプラスドライバーのみ。ネジを外すだけで基板を取り出すことができ、所要時間もせいぜい3分くらいだ。
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