ニュース
Wi-RANで多段中継、多地点から同時に情報収集:広域の超ビッグデータを収集(2/2 ページ)
京都大学の原田博司教授らは、広域系Wi-RAN(Wireless Regional Area Network)システム用の無線機を用いて、無線多段中継伝送による多地点同時映像情報収集の基礎試験に成功した。
今後は、数十台をホップさせ数十キロのエリアをカバーする実証実験へ
この結果、見通し外環境で合計中継距離が最大8.4km(単区間の中継距離は最大6.4km)において、RS2とRS1の2拠点で収集した映像情報を、リアルタイムにBSへ伝送し、その映像を表示させることに成功したという。各無線機の位置やスループット、RSSI(受信信号強度)、CINR(電波のクリアさ)といった情報も回線監視サーバで確認することができる。
今回の試験では、1ホップのみの基本中継動作を確認した。今後は、数十台をホップさせ数十キロのエリアをカバーした実証実験や、各無線機に100〜1000台のWi-SUNシステムを接続した環境での伝送実験、伝送方式の検討などを行う。さらには、最適な無線リソースの再計算や経路割り当てなどの機能を開発し、必要に応じて追加実装していく方針である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 東京大学、原子1個の内部電場を直接観察
東京大学の柴田直哉准教授らによる研究グループは、先端の走査型透過電子顕微鏡法と独自開発の多分割型検出器を用い、金原子1個の内部に分布する電場を直接観察することに成功した。 - 印刷で薄くて柔らかいモーターを実現
東京大学の川原圭博准教授らの研究グループは、印刷技術を用いて、薄くて柔らかい軽量なモーターの作製に成功した。ソフトロボットへの応用などが期待される。 - 名古屋大、カーボンナノベルトの合成に成功
名古屋大学は、カーボンナノチューブの筒状構造を持つ炭素分子「カーボンナノベルト」の合成に初めて成功した。 - タムロンが新しく狙うのは“人の眼を超える”技術
タムロンが2016年11月に発表したのは“人の目を超える”とうたう技術だ。「超高感度」と「広ダイナミックレンジ」を両立し、次の成長を担う一事業として展開を進めるという。 - 伸縮性導体、5倍に伸ばしても高い導電率を実現
東京大学の松久直司博士と染谷隆夫教授を中心とした研究チームは、長さを元の5倍に伸ばしても導電率が935S/cmという世界最高レベルを示す伸縮性導体の開発に成功した。 - 高容量で長寿命、リチウム−硫黄二次電池用電極
大阪府立大学の辰巳砂昌弘教授らは、高容量と長寿命を兼ね備えたリチウム−硫黄二次電池用正極の開発に成功した。エネルギー密度の高い次世代蓄電池の開発が可能となる。