東芝、四日市の第6製造棟に1800億円を投資:東芝メモリ単体でも投資続行
東芝は、現在、第1期分の建設が進んでいる四日市工場の第6製造棟について、製造設備導入と、第2期分の建設費用として、総額約1800億円を2017年度中に投資すると発表した。
第6製造棟に1800億円を投資
東芝は2017年6月28日、東芝メモリの四日市工場(三重県四日市市)で建設中の第6製造棟に導入する製造設備と、第6製造棟第2期分の建設費用として、総額約1800億円を投資すると発表した。この投資は、同日に開催された取締役会で承認された。
東芝は、3D(3次元) NAND型フラッシュメモリの生産拡大のため、第6製造棟の建設を進めていて、2018年夏に第1期分が完了する予定だ。
エンタープライズ用サーバやデータセンター向けを中心に3D NANDフラッシュの需要拡大が見込まれることから、東芝メモリが、2017年度中に約1800億円の投資を実施することを承認したという。
設備投資としては、第6製造棟第1期分の建屋内に、96層積層プロセスを用いた3D NANDフラッシュ製造向けの最先端の成膜装置やエッチング装置などを導入する。同棟第2期分の建屋については、2017年9月に工事を開始し、2018年末に完了する予定である。具体的な生産能力や生産計画は、市場の動向を踏まえて今後決めていくという。
なお東芝はプレスリリースで、「第6製造棟に導入する生産設備に対する米国SanDisk(=Western Digitalの子会社)による投資参加の有無については現在、SanDiskは協議中だが、仮に同社が参加しない場合には、東芝メモリ単体で生産設備を導入する予定」としている。
東芝は2016年3月17日、3D NANDフラッシュの新工場建設向けに、2016年度(2017年3月期)以降の3年間で総額3600億円を投資すると発表しているが、今回の1800億円は、その3600億円に含まれているという。
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