CMOSイメージセンサー売上高、2021年まで続騰:過去最高記録を連続で更新
米調査会社のIC Insightsは、CMOSイメージセンサーの世界売上高が2021年までの間、毎年過去最高記録を樹立すると予測した。
2016年の105億米ドルが、2021年に159億米ドルに
IC Insightsは2017年6月27日(米国時間)、CMOSイメージセンサーの世界売上高が2016〜2021年まで連続で過去最高記録を更新し続けるとの予測を発表した。それによると、CMOSイメージセンサーの世界売上高は2017年に前年比9%増の115億米ドルとなる見込み。さらに、年平均成長率(CAGR)8.7%(2016〜2021年)で拡大し続け、2021年には159億米ドルに達する見通しだ。
ここ5年の間、CMOSイメージセンサー世界売上高の上昇はさほど目覚ましいものではなかった。デジタルカメラや携帯用カメラの力強い成長に伴う需要が落ち着いたからだ。しかし、最近では、自動車、医療機器、マシンビジョン、セキュリティ、ウェアラブル、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、ユーザー認識システムでの組み込みカメラやデジタル画像処理アプリケーションの需要が、CMOSイメージセンサーの成長を押し上げている。
CMOSイメージセンサー供給者の間では、ToF(Time Of Flight)技術や他の技術(3D画像処理や距離測定技術など)を使う新しい3Dセンシングのために競争が加熱している。CMOS技術は今や、ToF機能を小型チップモジュールや潜在的には単一ダイに統合できるまでに進歩した。ソニー、Samsung Electronics、OmniVision、ON Semiconductor、STMicroelectronicsなどは既に、3Dイメージセンサーの開発と展開を手掛けている。
IC Insightsによると、CMOSイメージセンサー市場の中で最も速く成長する市場は車載システム向けだ。CAGR48%の成長率で2021年には23億米ドルに達し、CMOSイメージセンサー市場全体の14%を占めるという。対して、携帯電話機のカメラ向けCMOSイメージセンサーはCAGR2%しか成長せず、2021年には76億米ドルとなる見通し。それに伴い、携帯電話機のカメラ向けCMOSイメージセンサーの市場規模は2016年には67%(売上高は70億ドル)だったが、2021年には約47%に縮小する見通しだという。
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