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投資ファンドによるLattice買収、破談が濃厚にCFIUSが大統領に中止を勧告

未公開株式投資ファンドCanyon Bridge Capital Partnersによる、米FPGAメーカーのLattice Semiconductor(ラティス・セミコンダクター)の買収が、破談になる可能性が高まった。米国の外国投資委員会(CFIUS)が、米大統領に、本案件を中止または禁止するよう勧告したという。

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CFIUSが米国大統領に勧告

 米Lattice Semiconductor(ラティス・セミコンダクター、以下Lattice)は2017年9月1日(現地時間)に、SEC(アメリカ証券取引委員会)にフォーム8Kを提出し、米国の外国投資委員会(CFIUS)が、未公開株式投資ファンドCanyon Bridge Capital Partners(以下、Canyon Bridge)によるLatticeの買収について、中止または禁止することを米国大統領に勧告したことを明らかにした。

 CFIUSが取引の禁止または中止を勧告した場合、米国大統領は15日以内に、提案された取引を一時停止、禁止、または許可する決定を下す必要がある。このため、Canyon BridgeによるLattice買収についても、今後15日以内には可否が決定される見込みだ。

 米国に拠点を置くCanyon Bridgeが、Latticeを13億米ドルで買収すると発表したのは、2016年11月3日(現地時間)のことだ。だが、それから1カ月もたっていない2016年11月28日には、Reuters(ロイター通信)が、「中国の企業登記情報から、Canyon Bridgeが、中国の中央政府から資金提供を受けていることや、同政府が手掛ける宇宙開発事業にも間接的に関与していることが明らかになった」と報じている。

 米国の規制当局は当時から、中国の中央政府との関係を持つ企業買収ファンドによる米国企業の買収に対し、国家機密の漏えいを危惧して警鐘を鳴らしていて、Canyon BridgeとLatticeの案件も、CFIUSが承認しないのではないかとの見方もあった(関連記事:投資ファンドによるLattice買収に暗雲)。

 住友商事グローバルリサーチが2016年12月に発表したレポートで、「昨今、中国企業の米国企業買収が増加するにつれ、政治的圧力も強まりCFIUSの審査強化の動きが見られる」と報告している。2016年12月、当時のオバマ大統領は、CFIUSの勧告に基づいて大統領令を発して、中国のFujian Grand Chip Investment Fund(福建グランド・チップ・インベストメント・ファンド)が、ドイツ半導体メーカーAixtronが米国内に持つ子会社の買収を却下した。

 また、こちらは大統領令による買収阻止ではないが、2017年2月には、ドイツInfineon Technologiesによる米Wolfspeedの買収も、米国の国家安全保障にリスクを生じさせるとCFIUSが両社に通告し、破談となっている。

 半導体およびエレクトロニクスメーカーは軍事転用できる技術を保有している場合もあるため、米国の国家安全保障上の懸念から、外資の資本投入の審査がかなり厳しくなっていると推測される。

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