IoTに舵を切ったCEATEC、新規出展が半数を占める:CEATEC 2017が開幕へ
「CEATEC JAPAN 2017」(千葉市・幕張メッセ)が2017年10月3日に初日を迎える。ITやエレクトロニクス以外からも、金融、玩具、住宅など幅広い分野の企業が集まり、総出展社数の約半分が新規となった。
約半数が新規出展社
「CEATEC JAPAN 2017(以下、CEATEC 2017)」が、2017年10月3日に千葉市の幕張メッセで開幕する。CEATEC JAPAN 実施協議会は同年10月2日、報道機関向けに一足早く一部の展示を公開するメディアコンベンションを開催。併せて、CEATEC 2017開催の記者会見も行った。
2015年までの「最先端IT・エレクトロニクス総合展」から、「CPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT(モノのインターネット)の展示会」へと舵を切って2年目。CEATEC JAPAN 実施協議会のエグゼクティブプロデューサーを務める鹿野清氏は、「CPS/IoTの展示会というコンセプトをいかに本格化できるか、という意味で重要な年」だと強調する。
鹿野氏は、「CPSやIoTという言葉は分かりにくい」と前置きした上で、「CEATECを通じて、CPSやIoT、さらには『Society 5.0』で何が実現できるのかを具体的に見てもらいたい」と語る。「Society 5.0」とは、CPSやIoTを活用することで、経済的発展と社会的問題の解決を両立し、人間が質の高い生活を送ることができるようにするという国家ビジョンである。
CEATEC 2017の出展社数は、667社/団体。2016年比で3%増となっている。増加率こそ高いとはいえないが、「2016年に比べると中身が大きく変わっている」と鹿野氏は述べる。それは、出展社のうち、49%が新規出展社ということだ。具体的には327社/団体で、このうち国内外のスタートアップ企業は91社となっている。「金融、旅行、玩具、住宅、工作機械、印刷、繊維、通信といった、ITとエレクトロニクスを超えた新しい産業の企業、団体が幅広く出展している」(鹿野氏)
2016年に続き、今回もIoTに特化した企業や団体を集めたエリア「IoT TOWN」の他、「AI 人工知能パビリオン」など、トレンドのテーマに特化したエリアも設けている。IoT TOWNには、2016年に初出展した、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)やタカラトミーの他、バンダイナムコグループや三井住友フィナンシャルグループなどの企業が並ぶ。
鹿野氏は、CEATEC 2017の来場者数の目標を、2016年開催の14万人を超える、16万人と設定した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 脱・家電見本市2年目のCEATEC 2017開催概要
CEATEC JAPAN実施協議会は2017年9月11日、展示会「CEATEC JAPAN 2017」(シーテックジャパン 2017/会期:2017年10月3〜6日、会場:千葉市・幕張メッセ)の開催概要を発表した。 - 静電センサーで指の動きを感知、アルプス電気が展示
アルプス電気は2017年10月3〜6日に開催される「CEATEC JAPAN 2017」(千葉・幕張メッセ)で、独自のハプティクス技術や、次世代センサーネットワークモジュールなど、スマート社会の実現に向けた要素技術を展示する。 - 力触覚通信を35mm角のボードで実現
慶応義塾大学ハプティクス研究センターは「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日/幕張メッセ)で、ロボットアームの位置情報・力情報を遠隔に伝える「力触覚通信」技術のデモを行った。同研究センターは、この力触覚通信技術を試作品などに手軽に実装できるよう、35mm角の小型ボードを開発、それもCEATECで披露した。 - 「タコ」なのか、柔らかロボを作り出す
米Harvard Universityの研究チームは、2016年8月24日、硬い部分を持たないタコ型のロボット「octobot」を試作したと発表。内部の化学反応によってエネルギーを得て自律的に動き、この化学反応が制御装置を兼ねていることが特徴だ。エンベデッド3Dプリント技術を応用して作り上げた。 - IHS・南川氏に聞く、半導体業界再編とIoTの行方
2016年も終わることがなかった半導体業界の“M&A”の嵐――。2017年もこの業界再編は続くのだろうか。市場調査会社のIHSグローバルで主席アナリストを務める南川明氏に聞いた。 - 展示会の枠を超えるCEATEC、主催者が語る思い
2016年から、「CPS(サイバーフィジカルシステム/IoT(モノのインターネット)の展示会」として開催される「CEATEC」。なぜ、CEATECは生まれ変わる必要があったのか、運営事務局でプロジェクトマネジャーを務める鳥飼浩平氏と、広報・PR担当の吉田俊氏に話を聞いた。