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EOL製品を再製造、コアスタッフが専門事業を開始高まる調達要求を受け

コアスタッフは、半導体設計会社などと「EOL Alliance」を立ち上げ、半導体メーカーがEOL(生産中止)としたIC製品を再設計および再製造するサービス「EOLリボーン」を開始した。

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開発費の分担や「コアスタッフ」ブランドでの販売も視野に

 コアスタッフは2017年10月5日、半導体メーカーがEOL(生産中止)としたIC製品を再設計、再製造するサービス「EOLリボーン」を開始したと発表した。このサービスを実行していくため、コアスタッフを中心に、設計ツールや半導体設計を手掛ける企業が参加した「EOL Alliance」を立ち上げた。

 EOL Allianceのメンバーは6社。半導体製品や電子部品、機能モジュールなどを扱う通販サイト「ザイコストア」やEOL製品のみを扱う「EOL DIRECT」などを運営する「コアスタッフグループ」の他、アナログICやミックスドシグナルICの設計から評価まで手掛ける「内藤電誠工業」。クラウドベースのIC設計ツールなどを提供する「CDC研究所」。半導体の回路設計からテスト環境開発、システム開発などに強い「シスウェーブ」。アナログICやミックスドシグナルICの設計に強みを持つ「凸版印刷/トッパン・テクニカル・デザインセンター」。そして半導体メーカーから認定を受けてEOL製品の製造や販売を行う「ロチェスターエレクトロニクス」である。


会見に参加したEOL Allianceのメンバー。左からロチェスターエレクトロニクスの内木場晋吾氏、CDC研究所の井上善雄氏、コアスタッフの戸澤正紀氏、シスウェーブの西村光太郎氏、内藤電誠工業の岡裕幸氏。

 コアスタッフの社長を務める戸澤正紀氏は、「従来は半導体製品のライフサイクルが10年以上あった。産業機器や航空宇宙用機器などの分野では、10〜20年の長期にわたり製品供給を求められるケースもある。これに対し最近は、2〜3年で生産中止となるIC製品も出てきた。特にこの4〜5年はEOL製品に対する調達要求が強まっている。EOL製品に対する問い合わせが、1日で100件に達することもある。半導体メーカーの経営合理化などが影響しているのではないか」と分析する。

 そこでコアスタッフは、市場で調達することができないEOL製品を、必要とする顧客に供給していくため、半導体設計および製造に関する高度な技術を保有する企業と協業提携し、「EOL製品に特化した半導体ファブレス事業」を展開していくことにした。

 顧客がEOL製品を調達する仕組みはこうだ。まず、調達したいEOL製品をコアスタッフが運営する生産中止部品在庫管理サービス「みまもりくん」や、ロチェスターエレクトロニクスが保有する完成品在庫とウエハー在庫で確認。従来の市場も含めて調達することが極めて難しく、回路基板の再設計も不可能な場合に、EOLリボーンを活用して、EOL製品の再設計、製造を行うことになる。

左はEOL Allianceが行う特別サービス、右は参加企業とその役割分担 (クリックで拡大) 出典:コアスタッフ

 EOLリボーンの対象となる製品は、各種のロジックIC製品やアナログIC製品、各種メモリ、ASICなどで、マイクロプロセッサにも対応する。必要に応じてSiP(System in Package)で提案、提供することもあるという。開発したICはコアスタッフが製品保証を行う。開発費用は製品により異なるが2000万円からとなっている。開発リードタイムは半年から1年となる。


EOLリボーンのサービス概要 出典:コアスタッフ

 当面のビジネスモデルは、ザイコストアで集客や情報収集を行い、コアスタッフやロチェスターエレクトロニクスなどでも在庫を確保できない場合に、顧客とEOLリボーン契約を結び、EOL製品の再設計と製造を行う。

 将来は、EOL製品が発生したらWeb上で情報発信と顧客募集を行う。製品調達の希望があれば、アライアンスメンバーで簡易見積もりを行い、複数の希望者と調整しながら、IC製品の再設計と製造を行う。これにより、顧客の開発費負担をさらに軽減できるようにする。また、開発した製品を「コアスタッフ」ブランドで販売することも視野に入れている。

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