48V電源システムに対応、最大60V動作の電源IC:車載機器や産業機器向け
リコー電子デバイスは、車載一般電装品などに向けた高耐圧電源ICシリーズを発表した。48Vバッテリーシステムに対応する機器に向ける。
48V電源ラインから直接、LDOとの接続を可能に
リコー電子デバイスは2017年10月、車載一般電装品などに向けた高耐圧電源ICシリーズを発表した。48Vバッテリーシステムに対応する車載機器や産業機器に向ける。
新製品は、LDO(Low Drop Out)レギュレーターIC「R1560/R1561」シリーズとボルテージディテクターIC「R3160」シリーズである。R1560/R1561シリーズは、入力電圧範囲が5.0〜60Vで最大定格は80Vとなっている。また、尖頭印加電圧は90V(200ミリ秒以内)を保証している。新製品は48V電源ラインと直接つなぐことができるため、電源回路の簡素化やコスト低減を可能とした。
出力電圧は1.8〜5.0Vの範囲で7出力を用意しているが、0.1V単位での設定も可能である。出力電圧精度は25℃環境で±0.8%、−40〜125℃(ないし−40〜105℃)でも±1.5%と高い。出力電流は100mAとなっている。特に、R1560は消費電流が3.0μA(代表値)と極めて小さい。R1561の消費電流は20μA(代表値)だが、過渡応答特性に優れた設計となっている。パッケージはHSOP-6JとTO252-5で供給する。
R3160シリーズは、入力電圧範囲が2.7〜60Vで最大定格は80V。尖頭印加電圧は90V(200ミリ秒以内)を保証する。検出電圧範囲は10〜48Vと広く、直接48V電源ラインの監視が可能である。検出電圧精度は25℃の環境で±1.0%、−40〜125℃(ないし−40〜105℃)で±1.5〜±1.75%となっている。消費電流は1.8μA(代表値)と極めて小さい。パッケージはSOT-23-6で供給する。
なお、R1560/R1561シリーズとR3160シリーズには、用途に応じて4つの品質ランクを用意した。車載一般電装品(ボディー系)向けの「K品」、車載アクセサリー系向けの「A品」、産業機器向けの「Y品」、一般民生機器向けの「民生品」である。サンプル価格(税別)はR1560の民生品ランクで、1000個購入時の単価が250円となっている。
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