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IoTでは50セントのチップを実現する技術が必要だ:ARM TechConで技術者らが主張(2/2 ページ)
IoT向けに使われるSoC(System on Chip)は、50米セント以下で実現できるようにする必要がある――。「ARM TechCon 2017」では、技術者らがそのような議論を行った。
無線やセンサーでも、新しい技術が求められている
ARMのHillyard氏は、「無線通信に関しては、現在のBluetooth Low Energy(BLE)の10分の1の消費電力で動作できる新しい標準規格が2022年までに誕生すると予想される」と述べている。BLEは初代Bluetoothの10分の1となる40mWで実用が開始された。同氏は、「この時と同じように、さらに10分の1もの低消費電力化を図るには、CMOSの進化以上の時間が必要になるのではないだろうか」と続けた。
一方、Integra Devicesでセンサー部門のCTOを務めるMark Bachman氏は、「センサーの分野では、低消費電力化と小型化、そして機能の追加を実現すべく、新しい材料や設計技術が模索されている」と述べる。「多くのセンサーは、簡単にはシリコンでは製造できない。このため半導体チップとの集積が難しい。われわれは、センサーとシリコンを同じパッケージに集積したものをいくつか開発した」(同氏)
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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