ルネサスとインド電気自動車メーカーが技術提携:フォーミュラE向けで(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスとインドの電気自動車メーカーMahindra & Mahindraが、戦略的提携を発表した。ルネサスは、Mahindra & MahindraのフォーミュラEのレーシングチームの公式スポンサーとなり、自動運転車など向けのプラットフォーム「Renesas autonomy」をベースに、レーシングカーや量産車のPoC(proof-of-concept)の開発を進めていく。
「CES 2017」での出会いがきっかけ
今回の提携が実現するきっかけとなったのは、2017年1月に米国ラスベガスで開催された「CES 2017」での出来事だった。ルネサスのAutomotive Systems Business Divisionでバイスプレジデントを務めるAmrit Vivekanand氏によると、Mahindra側がルネサスに、フォーミュラEに関して協力できないかとアプローチしてきたという。
「(ルネサスと)Mahindraは、米国において取引関係にあったので、もちろんMahindraのことは知っていた。けれど、フォーミュラEについては、そこまで知らなかった」と、Vivekanand氏は打ち明ける。「だが、インドは強化したい新興市場の1つであるし、われわれにとって、ティア1サプライヤーだけでなく、Mahindraのような自動車メーカーと開発を進められるのは非常に意義があることだ。そのため、2017年7月ごろに米国ニューヨークでミーティングを行い、“協力”について、より具体的な話をし始めた」(同氏)。つまり、CES 2017から1年もたたずに、今回の提携に至ったことになる。
Vivekanand氏は、「ガソリン車とは異なる半導体が必要になる電気自動車の市場は、まさに今、勢いに乗ってきている」と述べ、ルネサスにとってMahindraとの提携が、電気自動車市場におけるルネサスの存在感を強化することになると強調した。
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