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遠隔操作も可能なハンドラーで開発評価を自動化「これが欲しかった」の声、続々

アドバンテストは「SEMICON Japan 2017」で、開発評価のためにデバイスをテストソケットに搬送するハンドラー「M4171」を展示した。これまで1個ずつ手でテストソケットに移す作業や、温度切り替えなどを自動化できるようになる。

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開発評価に使えるハンドラー

 アドバンテストは「SEMICON Japan 2017」(2017年12月13〜15日、東京ビッグサイト)で、設計および開発評価時に、1個ずつデバイスを搬送できるハンドラー「M4171」を展示した。同社が2017年11月28日に発表したもの。

 M4171は、テストシステムに接続して使用する。アドバンテストのテストシステム「V93000」「T2000」をはじめ、さまざまなメーカーのテストシステムに接続できる。M4171には、自動で温度を切り替える機能や、遠隔地からPCで操作できる機能が搭載されていて、開発評価を自動化できる点が最大の特長だ。

 開発評価では、エンジニアが、テストするデバイスを1つ1つ、手作業でテストソケットに移しているのが一般的だ。しかも、単にソケットに移すだけでなく、上から押さえてネジ止めするといった作業も必要なので、かなり時間がかかっているのが現状である。アドバンテストの営業本部 Marketing/BD統括部でマネジャーを務める伊東武志氏は、「本来、エンジニアが時間をかけるべきではないところに、時間を取られてしまっている」と語る。


「SEMICON Japan 2017」で展示された開発評価向けのハンドラー「M4171」。これをテスターに接続して使う(クリックで拡大)

 M4171は、−45〜125℃の範囲で試験温度を設定でき、自動で切り替えられるようにプログラムできる。M4171の内部には2台のカメラが設置されているので、遠隔にいてもハンドラーの様子を確認しやすくなっている。さらに、テストが終了したデバイスを、テスト結果に応じてカテゴリー分け(いわゆるBin分け)してトレイに戻すことも可能だ。

 M4171は、2018年4月以降に発売する予定である。なお、実証実験として、既に特定の顧客に使ってもらっているという。伊東氏は、M4171について「来場者から非常によい感触を得ている。“こういうものが欲しかった”という声もよくいただき、ニーズに出会えたと実感している」と語った。

 動画は撮影できなかったが、SEMICON Japan 2017では実際に稼働するM4171を見ることができた。「ハンドラーの動きが若干遅いのでは、という感想も来場者からいただいたが、M4171では、デバイスを確実にセットすることを重視した。もし途中で落とすと、装置を止めて人がやり直すという作業が発生してしまう。これを防ぎたい。さらに、“遅い”とはいっても、人の手で作業するよりは速いので、開発期間の短縮に大いに貢献できると確信している」(伊東氏)

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