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ドライバーの意図はくめない? 自動運転の課題交通規則には従えても(3/4 ページ)

2017年は自動運転技術の開発が、さらに加速した1年となった。公道での試験運転が増えるにつれ、「交通規則には従えても、人間のドライバーの意図にはほとんど従えない」ことが露呈してきた。

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ラスベガスで起きたNavyaの場合

 ラスベガスで起こったNavyaの自動運転シャトルバスの衝突事故も、自動運転車が適切な動作を執らなかった典型的な事例だ。

 この事故では、配送用トラックがゆっくりバックしてきたという。そのすぐ後ろを走っていた自動運転シャトルバスは、トラックがぶつかるまでじっと停止していたという。ラスベガス警察はここでも、「この事故はトラック運転手の過失によるもので、自動運転シャトルバスに責任はない」とすぐに発表した。

 しかしその後、専門家らは、自動運転シャトルバスがなぜその場で固まったように動きを止めたのか疑問に思った。なぜ、トラックの運転手に警告するためにクラクションを鳴らさなかったのだろうか。

 フランスの新興企業AutoKabのCEO(最高経営責任者)であるCarlos Holguin氏も、同じ疑問を持ったという。Holguin氏は、Navyaのシャトルバスの事故の後、「このような事故を防ぐためにあらゆる手が尽くされていたとは思えない。トラック(人間)の運転手に過失はあるが、シャトルバスのシステム設計者にも(少なくともある程度は)責任がある」と指摘している。

 今はまだ、どんな自動運転車も過失を犯さないといえる段階には達していない。Demler氏は、「人間の運転手であれば常識的に考えて判断し、安全に運転するという状況でも、自動運転車ではそれに適用できるルールがないというケースもある。こうした状況を考慮して動作するための標準規格を策定する必要がある」と提言している。

 同氏は、「だが、自動運転車に“常識”を持たせるには、どのようにプログラミングすればよいのだろうか」と疑問を投げかけた。2017年の時点で、その答えは出ていない。

自動運転向けプラットフォームの競争が激化

 業界では2017年に、Intel(Mobileye)とNVIDIAという、プラットフォームの2大ベンダー間で、性能に関する競争が激化した。

 両社は、それぞれの自動運転車向けAI(人工知能)チップの電力効率の高さについて議論を戦わせた(関連記事:「EyeQ5とXavierの比較が不適切」 NVIDIAが反論)。


米国で開催された自動車関連のイベントで登壇したIntel CEOのBrian Krzanich氏 写真:Intel

 Intelはラスベガスで2018年1月9〜12日に開催される「CES 2018」で、EyeQ 5と同社の低消費電力SoC「Atom」、I/Oやイーサネット接続を含むその他のハードウェアを統合したAVプラットフォームを発表する予定だという。

 公平な立場で言うならば、Intelの次の発表の詳細が一切明らかになっていない状況では、IntelとNVIDIAをプラットフォームレベルで有意的に比較するのは難しい。

 IHS MarkitのJuliussen氏は、「この競争がどのような形になっていくかは、まだ分からない」としながらも、NVIDIAの「DrivePX」プラットフォームには確かな利点を見いだしている。Juliussen氏は、同プラットフォームによって、NVIDIAの影響力がさらに増していることに言及した上で、「1つのプラットフォームに多額の投資を行った場合、然るべき理由もなく別のプラットフォームに切り替えることは容易ではないだろう。特に、ソフトウェアプログラマーやシステム設計者の知識を構築するためにかなりの投資を行ったとしたら、プラットフォームの切り替えはさらに難しくなるはずだ」と述べた。

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