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UMCとMicron、メモリ関連で特許係争に発展増えるメモリ関連の訴訟

台湾のUMCが、Micon Technologyの中国の子会社を提訴した。メモリチップ関連で、特許侵害があったとする。

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UMCとMicronの間で特許係争が


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 台湾の半導体ファウンダリーであるUMCは、Micron Technologyの中国の子会社に対し、メモリチップに関する特許侵害訴訟を起こしたことを明らかにした。メモリチップ関連の訴訟は近年増えている。

 UMCは、Micronが米国のUMCを提訴した約1カ月後に反訴した形だ。

 中国は、年間数十億米ドルのチップを輸入しているが、このコストを抑えるために国内の半導体産業の確立を目指している。こうした中、米国と中国の法的争いはメモリ分野で火ぶたを切った。中国は、Samsung ElectronicsやSK Hynix、Micron が支配するメモリ市場でシェアの奪取を目指している。

 台湾の新竹に本社を置くUMCは、世界最大で最速で成長している中国の半導体市場で事業を拡大している。同社は中国のファウンドリーの運営の他に、国内のさまざまな企業にメモリ技術のライセンスを提供している。

 UMCは2018年1月12日に発表したプレスリリースの中で、「UMCは、徹底的な調査の結果、中国本土で販売されているMicronの製品が、当社の特許権を侵害していると判断し、公正な判断を仰ぐために特許侵害訴訟を起こした」と述べている。

 Micronは2017年12月4日に、米国北カリフォルニアの連邦裁判所において、営業秘密防衛法(DTSA:Defend Trade Secrets Act)および不正収益・腐敗組織法(通称RICO法:Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act)の民事規定に基づき、UMCと中国のFujian Jinhua Integrated Circuit(JHICC)に対して、企業秘密の窃取をはじめとする違法行為があったとする民事訴訟を起こした。

 JHICCは、56億5000万米ドルを投資して、福建省晋江市にUMCの技術を移管したメモリ製造工場を建設した。同社のウェブサイトによると、JHICCは、中国第13次5カ年計画の重要な生産協定に加盟しているという。

 これは、中国のメモリ事業の大規模計画の一環である。中国は1年近く前に、240億米ドルを投じるメモリプロジェクトを中国の武漢市で実施する計画を発表した。この取り組みをリードするYangtze River Storage Technology(YRST)は、3次元(3D) NAND工場の建設を目指している。YRSTは、国営企業である中国のTsinghua Unigroupによる支援を受けている。

 Tsinghua Unigroupは、南京でもDRAMと3D NANDのプロジェクトを実施している。両プロジェクトへの総投資額は540億米ドルを上回るという。

 UMCは、福建省福州の中級人民法院において、中国のMicron Semiconductor Xi'an(西安)とMicron Semiconductor Shanghai(上海)を提訴したという。同訴訟は、グラフィックスカードに使用されるDDR4とSSD、メモリに関連したメモリアプリケーションを含む、UMCの中国における特許権を侵害しているとされる3つの領域を対象としている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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