流行ガジェットは見逃さない、新分野でも着実にシェア伸ばす中国勢:製品分解で探るアジアの新トレンド(25)(1/3 ページ)
エレクトロニクス業界の一大トレンドとなっているスマートスピーカー。多数の製品が登場する中、スマートスピーカーに搭載するチップで採用実績を着実に積んでいるのは、中国勢だ。
AmazonとGoogleがけん引するスマートスピーカー市場
2017年にエレクトロニクス市場を大きくけん引した製品の1つにスマートスピーカーがある。この名称には若干の違和感もあるが大手メーカーや新興メーカー、中国メーカーなども続々と新たな製品をリリースし、CMやインターネットの宣伝などでも大きく取り扱われ、実際に利用者も増えている。弊社もスマートスピーカーを続々と入手し、実際に利用し、分解や解析も行っている。
市場をリードしてるのは何といってもAmazonとGoogleだろう。Amazonの音声アシスタント機能「Amazon Alexa」(以下、Alexa)を搭載した「Amazon Echo」やGoogleの「Google Assistant」を搭載した「Google Home」が市場をけん引している。他メーカーの製品も、AlexaやGoogle Assistantに対応する機種がほとんどだ。
ちなみにAppleのスマートスピーカー「Apple HomePod」は2018年1月26日から予約がスタートし、米国、英国、オーストラリアで同年2月9日から販売が始まったばかりだ。残念ながら日本は発売国に含まれていなかった……。弊社は予約を完了しており、3月には分解する予定である。
今回報告するスマートスピーカーは、中国COWIN Electronics(以下、COWIN)の「DiDa」である。Alexa対応の製品だ。図1に、外観とCOWINの宣伝写真を掲載する。大きさは、他メーカーのスマートスピーカーとほぼ同じだ。高さは150mm程度で重さは473g。上部に各種操作スイッチとマイクロフォンが備わっており、下部にはメインの電源スイッチとUSBの電源端子となっている。
図2は、外部のカバーを取り外し、スピーカー部を取り出した様子である。COWINは2006年創業、本社は中国深センにある、多数のオーディオ製品を手掛ける企業である。ヘッドフォン、スピーカー、オーディオ関連機器などで全世界に製品を販売する準大手メーカーの1つだ。
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