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TDK、米超音波センサーメーカーChirpを買収:センサー事業強化を目指し
TDKは2018年2月28日、米国の超音波センサーメーカーであるChirp Microsystemsを買収すると発表した。
InvenSense買収に続く、センサー領域での買収
TDKは2018年2月28日、米国の超音波センサーメーカーであるChirp Microsystems(以下、Chirp)を買収すると発表した。今後、速やかに買収手続きを完了させ、完全子会社化するという。
Chirpは2013年設立。米カリフォルニア大学で開発された圧電MEMS超音波振動子技術を基盤に、拡張現実(VR)/仮想現実(AR)システム、スマートフォン、自動車、産業機器などに向けた超音波センサーを展開する。Chirpの超音波センサーは、数センチから数メートルの範囲にわたり、高精度で測距できるとする。また「低消費電力で駆動し、かつ搭載する製品の小型化にも貢献できることから、非常に使い勝手の良い、優れたセンサーソリューションの提供が可能になる」(TDK)とする。
TDKは、2017年にMEMSセンサーメーカーのInvenSenseを買収するなど、センサー事業の強化を積極的に実施している(関連記事:TDKがInvenSenseを1500億円超で買収)。TDKは「Chirpの超音波センサーが新たに加わることにより、既にInvenSenseにて手掛けている指紋認証センサーと合わせ、超音波センサーソリューションの大幅な拡大が可能になる」としている。
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