IoT機器用MCU、セキュリティと低電力を両立:電池による長時間駆動を可能に
Silicon Laboratories(シリコン・ラボラトリーズ)は、IoT(モノのインターネット)機器に向けた「EFM32 Tiny Gecko」マイクロコントローラ(MCU)ファミリーとして、新たに「EFM32TG11」を発表した。
スマートメーターやセンサー製品などに最適
Silicon Laboratories(シリコン・ラボラトリーズ)は2018年2月、IoT(モノのインターネット)機器に向けた「EFM32 Tiny Gecko」マイクロコントローラ(MCU)ファミリーとして、新たに「EFM32TG11」を発表した。強固なセキュリティ機能と低消費電力のワイヤレス機能を実現する。
EFM32TG11は、動作周波数が48MHzのArm Cortex-M0+プロセッサを搭載。有効電流消費はメガヘルツ当たり37μAと小さく、短い起動時間、さまざまなスリープモードのサポートなどによって、高い処理能力と低消費電力を実現した。内蔵するメモリ容量は、フラッシュメモリが最大128kバイト、RAMは最大32kバイトである。
また、AES(Advanced Encryption Standard)やハッシュ機能(SHA)、巡回冗長検査コード(CRC)、高精度な乱数発生器(TRNG)、セキュリティ管理ユニット(SMU)を含むハードウェア暗号化技術により、強固なセキュリティを実現した。
この他、ウェイクオンタッチ機能を備えた静電容量型タッチセンスコントローラ、低消費電力のセンサーインタフェース、消費電力を最大40%節減できる8×32セグメントLCDコントローラ、CANコントローラなどの機能を搭載している。
EFM32TG11は、外形寸法が5×5mmのQFN32を含め6種類のパッケージを用意しており、既にサンプル出荷を始めた。スタータキット「SLSTK3301A」も提供する。なお、従来のEFM32 Gecko製品とは、ソフトウェアと端子の互換性を確保している。
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