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IntelがBroadcomの買収を検討かWall Street Journalが報道

米Wall Street Journalの報道によると、IntelがBroadcomの買収を検討しているという。

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Qualcommとの合併による影響を懸念?

 Intelが、いくつかの買収案を検討しているという。買収先の候補の中には、現在Qualcommに買収を持ちかけているBroadcomも入っているようだ。Wall Street Journalが2018年3月9日(米国時間)に報じた。

 この報道は、匿名の情報筋によるものだという。Intelは2017年末から同社のアドバイザーと協力し、Broadcomを買収する戦略を検討しているとされている。この買収が実現すれば、過去数年間、M&Aの嵐に見舞われ続けている半導体業界に、また大きな波を巻き起こすことになるだろう。

 Intelは、Wall Street Journalの報道に対してコメントしていない。

 Intelの2017年の売上高は628億米ドルで、Samsung Electronicsに首位の座を明け渡した。Samsungは好調なメモリ事業が追い風となり、1992年以来、トップに君臨し続けてきたIntelに、ついにとって代わった。

 Intelは、PC向けプロセッサの売上高が依然として売上高の多くを占めているものの、近年PC市場の停滞が続いていることから、事業をより多様化させようとしている。Intelは数々の企業を買収することで、IoT(モノのインターネット)、コネクテッドカー、データセンター、ベースバンドチップなど、新しい市場への参入を果たしている。そして、これらの市場はQualcommが強い分野でもある。

 Wall Street Journalの記事は、もしIntelがBroadcomを買収するとなると、Intelが行ってきたこれまでの買収の中で、最も劇的なものになるだろうとしている。ただし、この買収は、世界中の規制当局から非常に厳しい審査を受ける可能性が高いとも指摘した。

 BroadcomによるQualcommの買収提案は、Qualcommの取締役会によって既に複数回、却下されている上に、CFIUS(対米外国投資委員会)からも、米国の国家安全保障への影響を懸念される事態になている。CFIUSは、2018年3月5日付の書簡で、BroadcomによるQualcommの買収は、ワイヤレス通信規格、特許、製品における米国の地位が脅かされ、潜在的に中国に有利になるのではないかと指摘した。

 これに応えるようにBroadcomは2018年3月、米国の次世代のRFエンジニアに向けた教育や訓練のために、15億米ドルのファンドを創設すると発表し、米国を5G(第5世代移動通信)技術のリーダー的ポジションにするための投資を行う姿勢を示している。さらに、重要な国家安全保障資産を外国企業に売却することはないと述べた。

 なお、Qualcommの株主による、買収に関する代理投票は、CFIUSの要請で2018年4月5日に行われる予定だ。

【翻訳、編集:EE Times Japan】

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